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命を救う輸血「血液はまだか!」

血液の大切さを実感する

 「血液はまだか!」。医療ドラマなどで医師が叫び、輸血用の血液の到着を待っているシーンがあります。でも実は、出血の最初の段階では、ある程度なら輸血ではなく輸液で治療を開始します。しかし、輸液の成分には、酸素を運搬するという大切な役割を持つ赤血球は含まれていません。赤血球が、体のすみずみまで酸素を運んでくれるので体内の細胞や組織は生きていけるのです。ですから、出血量が多くなると、酸素を運ぶ赤血球の濃度が薄くなり、心臓や脳が動かなくなって、危険な状態になってしまいます。やはり最終的には輸血の出番なのです。
 輸血用の血液は24時間体制で赤十字血液センターから医療機関に届けられています。緊急時には、赤色灯を点灯させサイレンを鳴らしながら、血液運搬車が医療機関に急行しているのです。

おとなしい子羊の血ならOK!?

 世界ではじめての輸血は1667年。フランスのドニが子羊の血を人間に輸血しました。ドニはなぜ子羊を選んだのでしょうか? おとなしい子羊の血液が人を穏やかにすると考えたからという説があります。ところが、羊の血を使っての輸血がうまくいきそうに思えたのは最初だけでした。血液型の概念がなかった時代のことで、副作用などいろいろな問題が生じたのです。その後、1901年にオーストリアのラントシュタイナーがABO式の血液型を発見し、血液型を合わせることで輸血を安全に行えることが明らかになりました。

輸血は臓器移植

 臓器移植と聞くと、心臓や腎臓などの移植と思いがちですが、輸血も血液という他人の体の成分を体内に入れるのですから、実は臓器の移植と同じと言えます。ですから、輸血で用いる血液と、輸血を受ける患者さんの血液の相性を調べることは、とても重要なのです。現在は、血液型を合わせることはもちろん、副作用や安全性についても、さまざまな検査をしてから輸血を行います。
 緊急の輸血の場合は、検査も時間との戦いになります。速やかで間違いの無い検査技術と、冷静で臨機応変な判断能力が必要になります。

この学問が向いているかも 医学


医学部 医学科 輸血室 准教授
河野 武弘 先生

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メッセージ

 医師をめざすなら、「勉強ができるから」というだけの理由ではなく、病に苦しむ人を助けたいという強い気持ちが必要だと思います。患者さんを診療する責任は重いですが、その分やりがいは大きいですし、常に努力し続ける価値があります。また、医学はまだまだわからないことばかりですから、その謎を追求し、患者さんを助けるために役立てることができれば、それ以上の喜びはないでしょう。もし医療に貢献したいという気持ちをすぐに実践したければ、献血は身近でできるボランティアのひとつです。ぜひ関心を持ってください。

先生の学問へのきっかけ

 幼い頃から、内科の開業医だった祖父に憧れ、また小学生の時、病気がちで病院に通っているうちに、医師になる夢がはっきりしました。大学を卒業後、内科医としてのキャリアをスタートさせ、大学院では微生物学の研究、卒業後もウイルス学の研究や教育に熱心に取り組んでいました。そして、大学附属病院の輸血責任医師として、輸血を管理するという、大きな転機が訪れました。その道は決して楽ではなかったのですが、今は全国の医療機関で輸血医療をリードする医師、看護師や技師の育成にも取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院勤務医師、開業医師、一般企業産業医、厚生労働省医系技官、製薬会社メディカルドクター

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