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講義No.01413

献血は身近でできるボランティア

献血にも少子高齢化の波が!

 献血された血液は赤十字血液センターに集められた後に、速やかに安全性を確かめる検査を受け、成分ごとに分けられて患者さんに輸血できる状態の製剤になります。製剤は成分ごとに保存に適した環境が異なるため、赤血球は2~6℃の冷蔵庫で、血漿(けっしょう)は-20℃以下の冷凍庫で保存されます。血小板は20~24℃で、しかも常に揺らした状態で保管をする「震とう保存」をしなくてはなりません。保存できる期間も異なり、赤血球は21日間、血漿は1年間、血小板では4日間しか持ちません。
 こうして適切に管理された製剤は、毎日24時間体制で医療機関に届けられています。わが国の輸血用血液は100%献血由来ですので、新しい血液がたえず必要とされていることになります。しかし、2000年代になって献血をする人が減っています。少子高齢化の影響で、輸血を必要としがちな高齢者が増える一方で、若い人の人口が減っているため、なかなか血液が集まらないのです。

血液は作れないの?

 医学の世界では、発明、発見の歴史が大切です。血液はそのままの状態で放っておくと固まってしまうのですが、クエン酸ナトリウムを混ぜると固まらないことがわかり、これによって血液を保存できるようになりました。血液型の発見に次ぐ、この第2の大発見によって、現在の輸血医療が実現できたのです。
 今後、献血者が減り続けて血液が不足するかもしれないのであれば、ES細胞やiPS細胞を使って血液成分を作ろうという研究がすすんでいます。もし、血液を作ることが可能になり、それらの安全性が確認され、大量供給できるようになれば、たくさんの人を救う大発見になるでしょう。

大切に使いたい血液

 しかし、現在のところは、輸血で用いられる血液は「人」が「人」に提供するほか方法がない、すなわち献血に頼るしか無いわけです。
 献血で得た血液は貴重なものですので、医療現場でももちろん大切に扱います。最近は病院でも専門チームを作り、血液の適切な管理と使用につとめています。


この学問が向いているかも 医学部

大阪医科薬科大学
医学部 医学科 輸血室 准教授
河野 武弘 先生

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メッセージ

 医師をめざすなら、「勉強ができるから」というだけでの理由よりも、医療現場で患者さんを治したいという気持ちが必要だと思います。入学した学生には病院の中をよく見て、医学を志す強い動機を探してほしいと思っています。また、医学はまだわからないことばかりです。血液だけでも、さまざまな謎は解明されていません。その謎を追求し、病気の原因をさぐり、患者さんを助けるために役立ててほしいです。また、献血は身近でできるボランティアのひとつです。ぜひ関心を持ってください。

先生の学問へのきっかけ

 幼い頃から、内科の開業医だった祖父に憧れ、また小学生の時、病気がちで病院に通っているうちに、医師になる夢がはっきりしました。大学を卒業後、内科医としてのキャリアをスタートさせ、大学院では微生物学の研究、卒業後もウイルス学の研究や教育に熱心に取り組んでいました。そして、大学附属病院の輸血責任医師として、輸血を管理するという、大きな転機が訪れました。その道は決して楽ではなかったのですが、今は全国の医療機関で輸血医療をリードする医師、看護師や技師の育成にも取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院勤務医師、開業医師、一般企業産業医、厚生労働省医系技官、製薬会社メディカルドクター

大学アイコン
河野 武弘 先生がいらっしゃる
大阪医科薬科大学に関心を持ったら

 2021年4月、大阪医科大学と大阪薬科大学は大学統合を行い、医学部・薬学部・看護学部を有する本邦有数の医療系総合大学「大阪医科薬科大学」としてスタートしました。
 今後、医学部生、薬学部生、看護学部生がともに学べる学習環境を確立し、「医薬看融合教育」を更に発展。 現代のチーム医療における医師、薬剤師そして看護職者としての役割を学生時代から強く意識できる恵まれた医療教育の環境の中、社会に貢献できる高度医療人を育成します。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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