夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

検索結果一覧へ戻る

講義No.01300

廃熱と風から電気を作る

熱電変換材料とは?

 「熱電変換材料」と言う、廃熱を使って発電をしてくれる材料が存在します。この仕組みを説明しましょう。まず、熱電変換材料は半導体(金属)でできています。材料の中にある、電子や正孔(ホール:電子の抜け殻)が電荷担体となって電荷を運んでくれると同時に、熱も運んでくれるのです。半導体の分類方法として、よく知られているのが、N(ネガティブ)型とP(ポジティブ)型という分類で、N型は電荷を運ぶ電荷担体として電子が使われているもので、P型は電荷を運ぶ電荷担体として正孔が使われている半導体のことを指します。このN型、P型の熱電変換材料を交互に並べて、片方に熱を加えると電圧が生じて電気を取り出すことができるのです。ただ一つの材料だけでは電圧が非常に小さいので、熱電変換モジュールではP型とN型を直列にたくさん並べることで電圧を大きくしています。

オートバイのマフラーの廃熱を有効活用

 熱エネルギーはかなり無駄に捨てられています。例えば、自動車のガソリンエンジンでも、車を動かすためには、ガソリンが持つエネルギーの20~30%しか使われず、残りは廃熱などになってしまいます。この廃熱も、1000℃といった高熱なら、まだ別の使い道もあるのですが、温度が下がってくる(「熱の品位が下がる」と言います)と使い道がなくなってしまうのです。ところが、熱電変換材料は温度差によって発電してくれるので、温度差が大きくなると、よりたくさん発電できます。しかも室温程度の低い温度でも温度差さえあれば発電してくれるので、廃熱から電気を作り出すことができるのです。
 そこで、オートバイのマフラーに熱電変換モジュールを取り付けたところ、エンジンの廃熱で高温になっている部分と走行中に風を受けて低温になっている部分との温度差により7V/10Wの電力を得ることができました。この電力をカーナビやGPSなどに使用することで、燃費を3~4%向上させることができるのです。


この学問が向いているかも 工学部

名古屋工業大学
工学部 物理工学科 材料機能分野 教授
西野 洋一 先生

先生の他の講義を見る
メッセージ

 工業製品を作るには、さまざまな材料が必要ですが、材料工学の中で最終製品を直接生み出すことはありません。しかし、半導体産業にしても半導体という材料が発見されなければ産業として成立しなかったでしょう。新物質の発見、新材料の開発があってこそ、新しい応用製品が生まれてくるのです。エネルギー・環境問題に関心があり、“ものづくり”工学の根幹を成す領域を研究する、勉強するといったことに興味がある人は、ぜひ材料工学の分野に来て一緒に研究開発を行いましょう。

大学アイコン
西野 洋一 先生がいらっしゃる
名古屋工業大学に関心を持ったら

 名古屋工業大学は、世界のものづくりの中心地である中京地区の工学リーダーとして、技術イノベーションと産業振興を牽引するにふさわしい高度で充実した教育研究体制を整備しています。さらに国内の工科系大学のみならず、世界の工科系大学と連携することにより、工科大学の世界拠点として、異分野との融合による新たな科学技術を創成し、有為の人材を数多く世に送り出そうとする構想をもっています。

TOPへもどる