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講義No.01230

ニッポンの官僚はそんなに悪くない

世界に冠たる日本の官僚制度

 世界規模で進行するグローバル化の荒波は、バブル経済の破綻以来長らく不況に沈んできた日本社会を着々と浸食しています。社会全体を覆う得体の知れない不安の中で、既成の秩序を破壊する強力なリーダーの待望、一方で官庁の裏金疑惑や天下り批判のように、従来の「非効率的」で「腐敗した」日本的システムを支えてきた官僚へのバッシングという事態が進行しています。
 でも何でもかんでも「官僚が悪い」と言って済ますのはちょっと待ってください。実は、我々の暮らすこの日本社会は、格差の問題が叫ばれるこのご時勢でさえ、世界的に見てもきわめて貧富の差の小さい社会であり、その社会を戦後を通じて作ってきたのは主に日本の官僚たちなのです。
 また、官僚制度を客観的に評価するときに使われる効率性、公平性、廉潔性(私欲がなく、行いが正しい)という三つの指標を日本の官僚制度に当てはめると、いずれも世界でトップクラスの高い評価です。実際、日本よりほかの国々の官僚や政治家のほうが、ずっと汚職などの腐敗の度合いははなはだしいのです。
 つまり、日本の官僚たちは決して悪くない、いや、世界的に見ても優れているはずなのに、その努力が正当に認められていないという、非常に不条理な状態に追いやられているのです。これはいったいどういう訳なのでしょうか。

スケープゴートにされた官僚たち

 そこには、グローバル化にともなうアメリカ的な価値観の急速な日本社会への流入という問題が横たわっています。アメリカは日本とは多くの点で異質な社会です。違う社会の価値観が無条件によいものとして信じられたとき、例えば官僚制度のようなそれまでの伝統的な価値観は無価値なものとしてさげすみの対象となります。
 しかし、在来の官僚制度にも良いところはたくさんあります。アメリカの制度や価値観をただ鵜呑みにするのではなく、自分たちの文化の良いところをきちんと認識し、その上で社会の仕組みを主体的に考えていくべきでしょう。

法学とはどんな学問なのか―賄賂罪を例に―

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この学問が向いているかも 法学部

一橋大学
法学部 法律学科 教授
王 雲海 先生

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メッセージ

 日本社会はいまグローバル化の波に洗われ、皆が外国ばかりを見て、自分の国がいままで築き上げてきたものへの自信をすっかり失ってしまっています。しかし、一人一人の平凡な日本人が皆、自分の好きなことを好きなだけやれば、日本はきっと活性化していくはずです。もちろん、そこには法律を守るという条件はあります。あなたも、法律を守って、その上で思い切って自分の人生を生きてください。

先生の学問へのきっかけ

 私が学生の頃、中国は文化大革命の時代で、判決を言い渡す集会が行われていました。集会を見るたびに怖くなり、判決を言い渡される側より、言い渡す側になろうと思うようになりました。それが法学の研究を始めた最初のきっかけです。念願の法学部に入り、犯罪と刑罰を扱う刑事法を専攻しました。そして法律・法学は、いかに人々の権利を守り、皆がよりよく生活できるかを目標としていることがわかったのです。その後、一橋大学に留学し、ハーバード大学でも研究をしました。そして、一橋大学で刑事法、特に比較刑事法の研究をしています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

これまで、司法試験に合格して裁判官、検察官、弁護士になったゼミ生がいれば、中央省庁や地方の公務員になったゼミ生もいるし、運輸や金融、製造業などの民間会社に就職したゼミ生も多くいます。

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王 雲海 先生がいらっしゃる
一橋大学に関心を持ったら

 一橋大学の大きな特色として、まず第1に挙げられるのは、我が国で最も伝統のある社会科学の総合大学として、常に学界をリードしてきたという長い歴史と実績、並びにこの伝統を受け継ぎ、人文科学を含む広い分野で、新しい問題領域の開拓と解明を推進する豊富な教授陣に恵まれていることです。第2は、商学部・経済学部・法学部・社会学部の垣根が低く、学生は各学部の開設科目を自由に履修することができます。また、10人から15人程度の少人数で行われているゼミナール制度(必修)を核とする少数精鋭教育も本学の特色のひとつです。

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