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講義No.01111

家賃が安くなると、家に住めない?

家賃統制令が治安まで悪化させた!?

 日本を含む多くの国で行われていた、家賃規制を考えてみましょう。この規制は、貧しい人でも家を借りられるよう、家賃を一定金額以下にしなければいけないという規制です。貧しい人のためになる、すばらしい考え方のように思えますが、その結果起こったことは、貧しい人の住む家を奪い、極端なケースでは、町の治安までもが悪くなってしまったのです。

町が荒廃し、住民も逃げ出した

 家賃を下げると、借りたい人が増えます。しかし、貸す側は利益がでないためにそもそも貸すこと自体を止める人も出てくるため、アパートの供給は減り、借りたい人が余ってしまいます。希望者がたくさんいた場合、大家さんは、当然条件のいい人を選ぶでしょう。つまり、きちんと仕事を持ち、家賃の滞納のない人を優先する結果、失業者や高齢者、母子家庭など、最も困っている人が家を借りられなくなってしまいました。
 規制の前には、生活保護受給者などの低所得者に小さなアパートを貸していた人たちも、経費すら賄えない低家賃ではやっていけないと、空き家のまま放置するようになりました。また、家賃が極端に低いと、窓ガラスや暖房などの設備が壊れてもその補修費すらままならず、ますます、多くの家は落書き一杯で無人のままに放置されるようになりました。さらには、アパートの所有には税金がかかるため、火災保険金目当てで、家主さん自らが放火という手段に訴える極端な事件までも起こりました。そのような状況を見て町を出る人も増え、人が少なくなったことで町の税収も減り、住民サービスまでも低下していった地域もありました。

戦争以上に深刻だった!?

 日本にも1980年代まであった家賃統制ですが、同じような法律は世界各国にありました。最も極端な例が、ベトナムのハノイでしょう。ベトナムの元外務大臣は、家賃規制による街の荒廃は、戦争での爆撃以上の影響があったとすら言っています。需要と供給のバランスが崩れると、社会全体を揺るがす大問題に発展しかねないのです。

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南山大学
経済学部 経済学科 准教授
小林 佳世子 先生

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メッセージ

 よく学んで、よく遊んでください。高校生の今は、自分の道を探すための、大事な大事な時間です。自分が何者なのかを知り、何者になるのかを見つけるために、どんなことでもいいので、社会に興味を持って、しっかり勉強もして、さまざまな社会体験をしてください。
 そうした好奇心一杯の心を持って大学にくれば、大学という場所は、あなたのその興味関心をさらに深めるために、何よりもどこよりも役立つ場所となるはずです。きらきらした目の皆さんと、大学で会えることを楽しみにしています。

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