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講義No.01104

銀行には、あまりお金がない?

アメリカ政府が引き起こした金融不安

 2008年にアメリカでリーマン・ブラザーズが破綻して、世界中に金融不安が広がりました。普段は、中央銀行が預金者の不安が起きないように、緊急の貸し出しを行って銀行が破綻しないようにしています。しかし、リーマン・ブラザーズの場合はアメリカ政府が救済すると思われていたのに、政府が何も手を打たなかったのでマーケットは驚きました。アメリカ政府が救済の手を差し伸べないのであれば、経営が苦しいほかの銀行も破綻するのではないかという不安が一気に広がったのです。

金融機関の破綻が及ぼす社会的影響

 銀行にはインターバンク市場という金融機関だけの市場があります。例えばA銀行が、多額の引き出しなどがあって今日の資金が足りないといった場合、お金が余分にあるB銀行から借りることで乗り切ります。ところがリーマン・ブラザーズの破綻でこのインターバンク市場が機能しなくなってしまいました。
 銀行間でもお金が戻って来ない恐れがあるので貸し出しをしなくなり、その影響で銀行はお金を企業や個人に貸し出すことができなくなりました。企業は事業運営をするお金が不足するので、当然のこととして経済活動は低下します。設備投資や雇用もできなくなり、失業率も悪化するなど社会全体にマイナスの影響を与えてしまいました。その後、各国の政府が財政資金を投入して、各銀行に直接貸し出すことで解決を図りました。

必要最低限の現金しかない銀行

 銀行には大量の現金があるというイメージですが、現実にはそれほどではありません。金庫にたくさんの現金があると、銀行は資産運用上マイナスなのです。ですから、わずかの利率であっても運用します。支店から本店に預けて、インターバンク市場で貸し出すことで利益を上げています。映画やテレビなどでは、銀行の金庫には現金がぎっしり詰まっているように描かれていますが、現実にはそのようなことはほとんどなく、必要最低限の現金しかないのが通常の状態です。


この学問が向いているかも 経営学部・経営学科

南山大学
経営学部  准教授
山下 忠康 先生

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メッセージ

 新聞を読んでください。一日に10分でも20分でも日々の出来事を伝えているニュースを見るようにしてください。その上で、実際に社会はどうなっているのかの疑問を頭の中で浮かべてほしい。為替が円高ドル安になれば日本経済にどのような影響があるのか、株価が下がったら給料はどうなるのかなどの疑問を持っていてほしい。大学の授業では実際に起こっている出来事をテーマに議論することを心がけています。それまで思っていた疑問を、自分の力で解き明かしていくことができます。

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