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講義No.01084

雪で冷房する

日本海側の降雪地域

 日本で50センチ以上雪が積もる豪雪地帯は、本州から北海道の日本海側一帯に広がり、国土の約半分を占めます。世界にもニューヨーク、ボストン、ストックホルム、モスクワなど雪が降る都市はたくさんありますが、日本ほどたくさんの雪が降り積もるところはありません。これらの都市と寒さを比べると、日本の豪雪地帯の冬の気温は0℃前後と高めで、「温暖な豪雪地帯」ということになります。
 日本の豪雪地帯は夏も蒸し暑い場所が多いため、冬の雪は有効なエネルギー資源になりうるのです。昭和30年代まで長岡には「雪にお」というものがありました。高さ13mにまで雪を積み上げ、苫(とま)という覆いをかけて断熱し、3500tもの雪を保存し、夏に切り出して販売していたのです。電気冷蔵庫の普及などでこの雪販売はなくなりましたが、半世紀ほど前までは雪を資源として有効活用していたのです。その後1997 年には「新エネルギー」の法律ができ、2002 年には「雪氷冷熱」および「バイオマス」がこれに加わり、再び雪エネルギーが注目されています。

利雪住宅のメリットとデメリット

 雪の冷たさを暮らしに取り入れるために、「利雪住宅」が建てられました。豪雪新潟では、家を守るために屋根から降ろした雪のやり場に困ることがありました。そこで「雪を捨てる」のでなく「貯める」と発想を転換し、建物の中に30トンの雪が入る雪室(雪の倉庫)を作り込み、これを夏の冷房に使うシステムを導入しました。部屋の空気を雪室に送り込んで冷やし、再び部屋に戻すだけの冷房です。雪が塵、埃、たばこの煙などを吸着し、さらに湿気は雪の上で結露するので除湿もされます。雪室の隣には天然保湿冷蔵庫があり、野菜やお米やお酒を長期間鮮度よく保存できます。30トンの雪で24畳分の部屋を一夏冷やして、電気代はわずか1000円程度。雪を雪室に詰める作業が必要というデメリットはありますが、それを上回るメリットが証明されました。これから本格的に普及することが期待されています。


この学問が向いているかも 工学部/工学研究科

長岡技術科学大学
工学部/工学研究科 機械創造工学専攻 教授
上村 靖司 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 理学部は純粋に学問の興味を追求する所で、人類の知的好奇心を満足させるにはとても重要な学問を学びます。一方工学部の工の文字は、上の横線は天(自然)で、下の横線が地(人間)、そして両方を繋いだ形です。自然と人間を上手に繋ぎながら人類のために役に立つことを行うのが工学です。誰のためにどんな役に立つのかということを考えながら、現場で人の見える仕事がしたいと考えています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

自動車メーカー生産技術/電力会社発電施設運転員/荷役機械製造設計/工作機械設計/生産技術/タイヤメーカー技術営業/公益法人研究員/機械部品設計・製造/化学プラント設計

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上村 靖司 先生がいらっしゃる
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 長岡技術科学大学は、大学院に重点を置き、実践的な技術の開発を主眼とした教育研究を行う工学系の大学として、新構想のもとに設置され、実践的・創造的な能力を備えた国際的に通用する指導的技術者・研究者の養成を行い、これらを通じて社会との連携を図ることを基本理念としています。
 大学はまた、勉学の場であると同時に人間形成の場でもあります。美しい豊かな自然に恵まれた環境と、国内はもとより世界の各地から集う学生たちが豊かな人間性を養い、創造性とチャレンジ精神を求め、友情を育む潤いのある大学生活の場があります。

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