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講義No.01076

生命力の源はどこから来るか?

エネルギー源はアデノシン三リン酸(ATP)

 人間は食事をしてエネルギーを摂取しています。では、エネルギーはどうやって体を動かしているでしょう? まず体を動かすには、筋肉を動かさなければならず、筋肉を動かすには筋肉を収縮させなければなりません。筋肉の収縮に使用されるエネルギーはATPの分解により得られます。どんな場合にも、筋肉が直接使用し得るエネルギー源はATPです。ATPは、アデノシンという物質に3つのリン酸基が結合しています。エネルギーが必要になったときは、ATP分解酵素の働きによって、ATPからリン酸基がはずされて分解されていきます。リン酸基がはずれるたびに筋肉を収縮させるのです。ATPからひとつのリン酸基がはずれるとADPという物質になります。すべてのATPがADPに分解されてしまうと、もう運動を続けることはできなくなるので、ATPは常に合成され続けています。

ATPを再合成する

 成人男子が1日分のエネルギーとして摂取した2000キロカロリーのうち、半分の1000キロカロリーがATPの合成に消費されます。これは重さに換算すると、およそ50kgにもなり、体重分ほどの量のATPを毎日合成していることになります。この合成には、ATP合成酵素という酵素が働いています。この合成酵素は、世界最小の回転モーターで、回転しながらADPとリン酸から再びATPを合成しているのです。ATPを合成するためには、ATP合成酵素のほかに、摂取したエネルギーをATP合成酵素に運び込むための多くの蛋白質が必要です。

生物の普遍性

 海底5000m(500気圧、4℃)や、100℃の温泉の源泉など、地球上にはさまざまなところに微生物がいて、この微生物たちも私たちと同じように、ATPの合成を行っています。しかもATPの合成に関わる酵素の形もあまり変わりません。ここに生物の多様性と普遍性の両面を見ることができるのです。


この学問が向いているかも 生物生産学部

広島大学
生物生産学部 生物生産学科 教授
三本木 至宏 先生

メッセージ

 生物というのは非常に多種多様です。その一方で、生物同士の共通点も数多くあります。つまり、多様でありながら、普遍性を持っているのが生物なのです。目の前にある現象、事象だけにとらわれないで、生物全体が持っている普遍性についての興味や、その普遍性を解明する好奇心を持ってほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 大学3年生の時に、別府輝彦先生の講義を聞いたのが微生物学を志すきっかけとなりました。たしか最初の講義で、「困ったことがあったら微生物が教えてくれる」と先生がおっしゃったことに心動かされました。
 「微生物が教えてくれる」という先生の謙虚で素直な姿勢が私の研究スタイルの原点となりました。4年生に進学し卒論研究では、児玉徹先生のご指導の下で、70℃の高温環境に生育する微生物に出会いました。70℃のお湯は手で触れることができません。そのような高温でも平気で生きていける微生物の存在に心おどらされました。

大学アイコン
三本木 至宏 先生がいらっしゃる
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 広島大学は社会に貢献できる優れた人材を育成し、科学の進歩・発展に貢献しつつ、世界の教育・研究拠点を目指す大学です。緑豊かな252ヘクタールという広大な東広島キャンパスを抱え、また、国際平和文化都市である広島市内等のキャンパスを含め、12学部、11研究科、1研究所、大学病院並びに11もの附属学校園を有しています。 新しい知を創造しつつ、豊かな人間性を培い、絶えざる自己変革に努め、国際平和のために、地域社会、国際社会と連携して、社会に貢献できる人材の育成のために発展を続けます。

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