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講義No.00681

あなたの心臓が動く仕組み

心臓を動かすペースメーカー細胞

 心臓は人間の意志とは関係なく、なぜ自分自身で動くことができるのでしょうか。それは、心臓の中にある筋状の「ペースメーカー細胞」が電気を発生して拍動し、心臓全体を動かしているからです。自分で動く機能を「自動能」といいます。「細胞が電気を発生するの?」と思った人もいるかもしれませんが、人間の体には電気を発生させる箇所がいくつかあります。心電図や脳波などは、細胞が発生させる電流を測定しているといえば理解できるでしょう。
 ペースメーカー細胞の拍動には、心臓の細胞膜に存在する「イオンチャネル」というたんぱく質が深くかかわっています。普通、ペースメーカー細胞以外は自動能を持っていませんが、イオンチャネルが何らかの異常をきたすと、ペースメーカー細胞以外の細胞であっても自分で動くようになり、不整脈という症状になって現れます。
 ちなみに、心臓にペースメーカーを装着している人は、ペースメーカー細胞の電気を発生する仕組みに異常があるといわれています。また、脳梗塞(のうこうそく)で倒れる人の何割かは心臓に不整脈の持病があり、心臓の血栓が脳に回って脳梗塞を引き起こすともいわれています。

将来的にはペースメーカー細胞をつくりたい

 この研究を病気の治療に生かすアプローチも進んでいます。現在、心拍数を制御する薬はいくつかありますが、心臓だけでなく脳のイオンチャネルにも効いてしまったり、血圧を上げてしまうなど副作用があるので、心臓のイオンチャネルのみに効く薬の研究が急がれています。また、この研究が進めば、現在心臓病に使われているカテーテル(腕や太ももの動脈から細い管を通して病気の状態を検査する方法)よりも、もっと身体に負担の少ない検査法や根本的な治療法、予防法が生まれるかもしれません。さらに、ペースメーカー細胞をつくる研究も始まっており、将来的には人造心臓ができるのも夢ではありません。

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この学問が向いているかも 医学部

秋田大学
医学部 医学科 教授
尾野 恭一 先生

メッセージ

 私がこの研究を始めた20年ぐらい前は、大きなコンピュータで何日もかけて心臓の仕組みをシミュレーションしていましたが、今はノートパソコンで一瞬にして解析できます。科学技術の進歩は早く、いま夢だと思っていたことでも、10年20年先には実現するかもしれません。私が生きている間にもペースメーカー細胞がつくられるのではないか。そう考えると、夢は膨らみます。私たちと一緒に心臓のことを研究してみませんか。

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 地球を舞台に活躍する資源スペシャリストを養成する「国際資源学部」、教育分野や地域社会における現場実践力を養う「教育文化学部」、地域医療の核となり人々の健康と福祉に貢献する「医学部」、独創的な発想と技術力を育む「理工学部」の四学部が連携し、地域に根ざし世界に発信する教育・研究拠点をめざしています。
 四季の彩り豊かなキャンパスでは、日本全国そして世界各国から集った学生がそれぞれの目標に向かい、勉学や課外活動に打ち込んでいます。

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