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先生は面白い ~教師教育学の世界~

関心ワード
  • 生きる力 、
  • 職場 、
  • 教育学 、
  • 学習・学び 、
  • 勉強 、
  • 子ども 、
  • 教師・先生 、
  • 学校

講義No.g009121

憧れの先生を育てる 教師教育学の役割

養成、採用、研修の分野で教師をサポート

 教師教育学とは、教師を育てるための学問です。教師をつくる「養成」、国や地域、教育委員会と調整し教育現場と教師をつなぐ「採用」、教師になったあとのキャリアをサポートする「研修」の分野に分かれています。教職や学校教育のあり方、学校や授業の運営、部活動や地域活動のマネジメントなど、その研究分野は多岐にわたります。また、「勉強」「学習」「学力」「生きる力」そして「教育」など、普段なにげなく教育現場で使われている言葉の本来の意味を見つめ直し、教育の本質を問うことも教師教育学の重要な役割です。

子どもたちに憧れられてこそ教師

 この社会の中では、誰もが何らかの形で教育に関わり、教育について語ることができるため、教師のあるべき姿が見えにくくなっているのが現状です。しかし、いつの時代も教師とは子どもたちから憧れられるべき存在です。「常に向上心をもって、自分の興味・関心のあることについての勉強を怠らない」「子どもたちの一歩先を進み、努力する姿勢を背中で伝える」「子どもたちの方を振り返って、めざすべき方向へとリードする」といった力こそ、教師が備えるべき真の指導力といえるでしょう。

教師教育学が取り組む3つの課題

 子どもたちに憧れられる教師を育てるため、教師教育学は3つの課題に向き合っています。1つ目は、教師に働きかけて、自身が学ぶ姿勢をもつよう促すことです。2つ目は、そのための環境を整えることです。日本の教師たちの週当たりの労働時間はOECD平均より15時間も多いのに、授業準備や研修の時間は減っています。職場環境の改善が求められています。3つ目は、ネットワークづくりです。個々の教師や学校ごとの対応だけでは限界があるため、教育大学や地域と一体となったサポート体制を構築することが求められています。こうした取り組みを研究・実践し、教師を生涯にわたってサポートするために、教師教育学が果たすべき役割は、今後もますます大きくなります。

この学問が向いているかも 教師教育学、教育学

大阪教育大学
教職教育研究センター  教授
島﨑 英夫 先生

メッセージ

 あなたは「面白い」という言葉の本来の意味を知っていますか? 面白いは「おもて」と「白い」が組み合わさった言葉で、もやっとしていた目の前の視界がぱっと開ける様子を表しています。
 そういう意味では、教師はとても面白い仕事だと言えます。ただし、視界を広げるには背伸びをしなければいけません。つま先で立って背伸びをすることには、勇気も根気も必要とされます。しかし、そこに楽しさを見出し、また、子どもたちにも同じ経験を積ませてあげたいと思える人こそ、教師に向いているのです。

先生の学問へのきっかけ

 さまざまな学校で国語教師や校長を務めるなどして、教育現場の最前線で経験を積んできました。そして、学校内外のたくさんの人たちから、学校教育や教師のあるべき姿についての意見を聞いてきました。誰もが体験に基づいて教育論を展開するものの、その解釈はさまざまで、教育に関する議論は意見がまとまりにくいことに気づいたのです。例えば、学校指導要領にある「生きる力」や「学力」という言葉の解釈さえも定まらないのが現状です。
 このような経験から、教師教育学の研究を通して教育の社会的意義や教師教育の今後を考えています。

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島﨑 英夫 先生がいらっしゃる
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 本学は、我が国の先導的な教員養成大学として、教育の充実と文化の発展に貢献し、とりわけ教育界における有為な人材の育成をとおして、地域と世界の人々の福祉に寄与する大学であることを使命としています。この使命を達成するため、実践的な教職能力を養う優れた教員養成教育を推進し、豊かな教職能力を持って教育現場を担える学校教員を育成するとともに、学術と芸術の多様な専門分野で総合性の高い教育を推進し、高い専門的素養と幅広い教養をもって様々な職業分野を担える人材の育成をめざしています。