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先端科学技術を支える材料開発と物性評価

高校2年生 30分という短い時間で超伝導という難しい分野をわかり易く教えていただきありがとうございました。
高校1年生 今回の講義では、超伝導転移温度についてや、Bose粒子がどういうものかなど理解することができたのでよかったです。
高校2年生 単に技術だけでは解消できない科学の進歩を支えている「材料」について、改めて目を向けることができました。
高校1年生 超電導でMRI、CTスキャンが動いているのは知らなかったので、ためになりました。自分は文系ですが、とても分かりやすい授業でした。
高校2年生 超電導により、電気抵抗が0になったり、完全反磁性により、物質が浮いたりしていることに驚いた。
高校2年生 今の生活ではなかなか聞くことができない貴重な情報を知ることができた。
高校2年生 物理分野に関して、さらに興味をもつことができました。
高校2年生 超伝導にとても興味があっていま知りたいと思っていたので、よかった。
高校2年生 理系分野の内容を幅広く聞きたいと思っていたので理系の先端技術の講義はとてもためになりました。
高校1年生 ロボットは様々なことに役立てられると分かりました。
高卒生 京都大学に行きたい気持ちが高まった。
高校2年生 京都大学は、自由な校風で研究にとても強いということがわかりました。
高校1年生 吉村先生も、ノーベル賞がとれるよう願張ってください楽しみにしています。
高校2年生 超電導の汐用性の高さからまだ将来性を感じることができ、学問を学ぼうと思うことができた。
高校1年生 超電導って、すごいことだなぁ、と思った。常識をくつがえす、「かくめい」のやつは、すごいなぁとよくあきらめずあれを発見したなとびっくりしました。
高校1年生 蛍光素材を白色に光らせるということを研究していて自分もそういった分野に興味をもちました。
高校2年生 先端技術を学ぶ上で、知りたいことを教えてほしい。
高校1年生 室温で超伝導になる物質を見つけられるよう、がんばってほしいです。
高校1年生 超伝達についてどのような公式や定理があるかよく分かりました。
高校1年生 以外と身近なことに超電導というものが使われていることが分かった。
高校1年生 超伝導物質への関心が高まりました。
高校2年生 ・自分は超電導について興味を持っていて、電力ロスを0に近づけるためにはどうするかというぎもんについてより深めることができました。
高校2年生 今までのきぞんの法則をこえる物質が見つかったときは、本当に興奮する瞬間だと思います。ぼくもそんな研究がしたいです。
高校2年生 物理でちょうどやっている所だったのでとてもよかった。
高校2年生 最近超伝導について興味があってたのしかった。
高校1年生 超電導についてくわしくなれてよかったです。
高校1年生 ノーベル賞を受賞した教授がわかりました。京都大学が研究に力を入れているのがわかりました。
高校1年生 物理、化学に対しての関心がより深まった。超伝導の話はおもしろく、興味がよりわき、いつか先生のようになれたらなと思いました。

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関心ワード
  • ヘリウム 、
  • 液体ヘリウム 、
  • がん細胞 、
  • 医療技術 、
  • 絶対温度 、
  • 電磁石 、
  • 電流 、
  • MRI 、
  • 電気抵抗 、
  • 超伝導(超電導) 、
  • 液体窒素

講義No.g004035

医療技術の進歩にも大貢献している超伝導技術

マイナス269度の世界

 一般的に金属は、温度を下げると電気をよく通すようになります。では、温度をどんどん下げていけばどうなるのでしょうか。絶対零度(-273.15℃)に近づければ電気抵抗もゼロに近づくと予想されていました。1911年、オランダの物理学者カメルリング・オネスが、液体ヘリウムを使って水銀を冷やしたところ、絶対温度4.2度(摂氏マイナス269度)で電気抵抗が突然ゼロになることを発見しました。これが世界で初めて超伝導現象が確認された瞬間です。

電気抵抗ゼロを何に活用するか

 超伝導状態では電気抵抗はゼロ、つまり大きな電流を流してもまったく抵抗がないため、発熱することはありません。この特性を応用すれば、強力な電磁石(超伝導磁石)を作ることができます。
 一方、超伝導になる温度が高ければ高いほど、容易に超伝導状態を作り出すことができます。そこで次の研究対象となったのが、より高い温度で超伝導を起こす物質の探索です。研究の結果、ニオブとスズの化合物ニオブ3スズなら、絶対温度20度ぐらいで超伝導状態になることが明らかになりました。液体ヘリウムの中で冷やして超伝導状態にしたニオブ3スズをコイル状に巻き、電気を流してできる強力な超伝導磁石は、医学をも大きく進歩させました。

超伝導を活用したMRI

 超伝導磁石でできた筒の中に人が入り、磁気の力で体内の臓器や血管を撮影する装置がMRI(磁気共鳴映像法)です。磁力が強ければ強いほど、分解能が上がり、細部までが鮮明に写ります。超伝導を活用した最新式のMRIなら、がん細胞も細かくチェックできます。
 現状のMRIは、液体ヘリウムを使って超低温を維持していますが、今後の課題は、より高い温度で超伝導を起こす物質を活用することです。銅酸化物なら、最高絶対温度160度ぐらいで超伝導を起こすことがわかっていますので液体窒素温度(-196度)で超伝導体として使えますが、現状ではこの物質はもろいためにケーブルとして使うことができません。新たな研究が待たれるところです。

関心ワード
  • 推力(推進力) 、
  • 磁力 、
  • 反磁性 、
  • 物質 、
  • 電気抵抗 、
  • モーター 、
  • 絶対零度 、
  • リニアモーターカー 、
  • 超伝導(超電導) 、
  • マイスナー効果 、
  • 液体ヘリウム 、
  • 磁力線 、
  • 極低温

講義No.g004098

次世代新幹線リニアモーターカーを支える超伝導

モノを極限まで冷やすとどうなるか

 物質化学の分野で、非常に盛んに研究されているテーマの一つが「超伝導」です。超伝導とは、ある金属や化合物などを絶対零度(摂氏マイナス273.15度)に近いレベルの極低温にまで冷やしたとき、電気抵抗が急激にゼロになる現象のことを言います。1911年、オランダの物理学者カメルリング・オネスが、液化ヘリウムを使って水銀を冷やし、絶対温度4.2度(摂氏マイナス269度)で電気抵抗がゼロになることを発見しました。世界で初めて「超伝導現象」が確認された瞬間です。

超伝導のとても不思議な特徴

 超伝導状態になった物質は、二つの特異な性質を帯びます。一つは電気抵抗がゼロになること、もう一つは磁力線をまったく取り込まなくなることです。これを「完全反磁性」または「マイスナー効果」と言います。通常の物質には、必ず磁力線が入り込みます。どれぐらい入り込むかは物質によって異なり、例えば鉄は磁力線を多く取り込むので磁石を近づけるとくっ付くのです。逆にアルミなどは磁石を近づけても反応しません。アルミも磁力線を取り込んではいますが、鉄ほどではないからです。
 これに対して超伝導状態になった物質は、磁力線を完全に遮断します。強力な磁石の上に超伝導物質を置くと、行き場を失った磁力によって空中に押し上げられるのです。超伝導物質は完全に浮いているので、わずかに力を加えれば抵抗なく動きます。この原理を応用したのがリニアモーターカーです。

超伝導で浮き、磁力で走るリニアモーターカー

 日本のリニアモーターカーは、車両に設置した超伝導磁石と線路側に設置したコイルによる電磁誘導で車体を浮かせ、超伝導磁石と軌道側に設置された電磁石による磁極間の反発力・引力を使って推進力を得るのです。推進力の原理は通常のモーターと同じですが、モーターが電磁石のNS極の切り替えで回転力を得るのに対して、軌道側の磁石を直線的つまりリニア(linear)にNS極を切り替えて力を得ます。だから「リニア」モーターカーと呼ばれるのです。

この学問が向いているかも 無機化学、物理化学、物性科学

京都大学
理学部 化学教室 教授
吉村 一良 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 京都大学の理学部の特長は「緩やかな専門化」です。最初はみんな理学部理学科で始まり、化学を専攻したとしても、後に物理や生物の研究に進むこともできます。ですから、とにかく物質に興味があるというあなたは、まず化学を選択してみるのはどうでしょう。化学は、実に幅広い学問分野につながっています。まだわからないことがとても多く、化学反応の可能性などは無限に広がっています。そして、もし常温超伝導体の合成に成功すれば、送電効率が飛躍的に上がって大幅な省エネになるなど、化学は実社会にも貢献できる学問分野なのです。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から磁石に強い興味を持っていました。なぜ磁石は引き合うのか。なぜ方位磁石はいつも北を指しているのか。それがどういう原理なのだろうと本当に不思議で、いつになったら答えがわかるのだろうと、中学・高校の理科の授業が楽しみでした。でも結局その疑問に答えてくれたのは、大学の専門課程での「磁性物理学」の講義でした。それがもとで、その講義を担当していた私の恩師の研究室に入り、磁性研究の道に進んだのです。超伝導を知ったのは更に後のことです。何にでも好奇心を持ち、追いかけ続けることが大事だと思います。

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吉村 一良 先生がいらっしゃる
京都大学に関心を持ったら

 京都大学は、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献するため、自由と調和を基礎にして基本理念を定めています。研究面では、研究の自由と自主を基礎に、高い倫理性を備えた研究活動により、世界的に卓越した知の創造を行います。教育面では、多様かつ調和のとれた教育体系のもと、対話を根幹として自学自習を促し、教養が豊かで人間性が高く責任を重んじ、地球社会の調和ある共存に寄与する、優れた研究者と高度の専門能力をもつ人材を育成します。