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医学を基盤とした栄養学のこれから

夢ナビライブ2019名古屋会場にて収録

1分動画1

食の安全に関わる研究とは?

1分動画2

光を用いた殺菌方法

1分動画3

腸内環境を調べると・・・?

30分動画

講義を視聴する(30分)

関心ワード
  • ノロウイルス 、
  • 波長 、
  • 光 、
  • 食品衛生 、
  • 衛生管理 、
  • 殺菌 、
  • 食中毒 、
  • 紫外線 、
  • 発光ダイオード(LED) 、
  • 栄養学

講義No.g009854

近紫外線で殺菌する! ~食品衛生研究の最前線~

食品衛生を科学する

 栄養学には家政系、医学系、農学系の3つの流れがあります。そのひとつ「医学系栄養学」では、疾病予防法の開発、感染症予防、健康維持増進に関して栄養素のとり方など、栄養や衛生を科学します。
 このうち感染予防研究では、食中毒などの原因となる大腸菌やノロウイルスなどの微生物をいかにしてやっつけるかがテーマです。その方法は、これまで熱や消毒薬、抗生物質などが主流でしたが、近年、食品を劣化させず、かつ残留物が残らない方法として、「光」の活用が注目されています。

UVAとUVCで違う殺菌の方法

 殺菌力のある光というと、近紫外線(波長が380〜200ナノメートル)の中で最も短い波長域、UVCを使った殺菌灯が有名です。UVCはDNAに吸収されるのでそのエネルギーがDNAを破壊し、結果として微生物を殺します。しかし最近の研究で、近紫外線の中で一番可視光に近い領域のUVAにも殺菌力があり、UVCとは違う殺菌法であることがわかりました。
 UVAが微生物のタンパク質に吸収されると、そこに酸化物質が発生します。すると酸化した物質が機能を失い、微生物を死なせるのです。UVCよりも即効性が低く、劣化作用の低いマイルドな殺菌方法と言えます。また、UVAの波長域は液体を殺菌するのに適している可能性も見えてきたことから、植物工場の溶液殺菌、さらには鶏舎の衛生管理への実用化が本格的に検討され始めています。

宇宙空間での活用にも期待

 光は波長域で違う機能を持つことが明らかになったため、これらを組み合わせた相乗効果も期待でき、より殺菌力を高める研究も進んでいます。また、殺菌だけでなく、光によって特定の栄養素を増やした食物づくりにも関心は広がっています。
 実は、こういった研究にはさまざまな光の制御が必須ですが、その背景にはLED技術の進歩があります。今後、宇宙空間での活用研究も活発になるでしょうし、その成果が気象条件の厳しい地上の砂漠などに応用されることも期待されます。

この学問が向いているかも 栄養学

徳島大学
医学部 医科栄養学科 教授
髙橋 章 先生

メッセージ

 私は、食中毒の原因菌の研究、そして食中毒予防のためのLEDを使った殺菌法の開発を行っています。徳島大学の特徴であり強みは、LEDをはじめとする「光研究」と医学の立場からの「栄養学研究」を併せて行えることです。それはあなたが医学や栄養学に対して今持っている印象よりもずっと多面的な研究内容や、その後のさまざまな進路を示すことができます。
 興味があるなら、私たちと一緒に医学や栄養学のさまざまな側面を知り、ほかの分野との融合を生かした研究をしていきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私は、医学部の大学院に進む時に大きな選択をしました。臨床系か基礎系かを選ぶ際、外科医志望でしたから当然臨床系を選ぶところですが、基礎系を選びました。外科医になった将来の自分は大体想像ができたため、人があまり進まない分野の方が楽しいと思い、基礎医学の道へと方向転換したのです。実は高校生の頃から物理学も好きで、内心は医学の道に進みながらも物理に関係することをしたいと思っていました。基礎医学に進み、生理学や栄養学の先にある「光を使った食品の衛生環境づくり」という現在の研究はまさにこの思いと重なります。

大学アイコン
髙橋 章 先生がいらっしゃる
徳島大学に関心を持ったら

 徳島大学は有為な人材の育成と学術研究を推進することにより、人類の福祉と文化の向上に資するため、自主・自律の精神に基づき、真理の探究と知の創造に努め、卓越した学術及び文化を継承し、世界に開かれた大学として豊かで健全な未来社会の実現に貢献することを理念としています。豊かな緑、澄み切った水、爽やかな風、温暖な気候に恵まれた徳島の地にあって、「知を創り、地域に生き、世界に羽ばたく徳島大学」として、発展を目指しています。