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医療
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支援
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ケア
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生活
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患者
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看護師
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看護
講義No.g008127
外来看護は、患者さんの生活と医療をつなぐ「コンシェルジュ」
入院治療と在宅生活の橋渡しをする「外来看護」
看護師は病棟内で入院患者さんのケアをするだけでなく、病院外来や訪問看護の現場にもいます。これらは異なる場所での看護のようですが、実は密接につながっています。患者さんの入院中は看護師が直接ケアできますが、退院したら本人が自宅でセルフケアできるように支援する必要があります。患者さんが退院後に通う外来での看護には、患者さんが自立して元の生活に復帰するまでのリハビリや在宅での生活を支える橋渡しのような役割があります。
患者さんの生活を知り、治療の判断材料を集める
また、外来のみの患者さんについて、その人の生活面から治療の判断材料を集めるのも、外来看護の役割です。
例えば関節痛や腰痛でかかる整形外科では、入院手術をしたほうが根治できても、条件によっては外来治療で痛みを抑えて生活できるケースがあります。「歩く・トイレに行くなどの生活行動ができるか」「仕事や地域での役目、趣味などの都合で手術が難しいのか」「通院が難しい理由があるか」「痛みがあるとき買い物や家事は誰かに手伝ってもらえるのか」など、家族も交えて話を聞き、医師やセラピストなどコメディカルと連携し医療者としての立場から、これは守ってもらいたいということを伝え、本人と家族の理解を促します。
さまざまな価値観を大切にした支援をめざして
患者さんのよりよい今後のためにも、外来看護では患者さんが今、何を大事に生活しているかをしっかり確認することが大切です。高齢の人、子育て中の人、夜勤の人など、生活習慣は千差万別で価値観も違います。「これはしないで、こういうふうにしてください」という医療者側の要求と、生活者の事情が100%相容れることはまずありません。
その患者さんの健康を保つことを第一に考え、様子を観察し、話を聞き、その人の生活や価値観と医療との折り合いをつけながら支援するのが外来看護の役割です。外来看護は入院看護や訪問看護へとつながる窓口、いわば「コンシェルジュ(よろず承り係)」でもあるのです。