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山口大学の教員によるミニ講義

関心ワード
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  • 常識

偉大な科学者たちは、どうやって偉業を成し遂げたのだろう?

学問を「文・理」に分ける必要はあるの?

 「科学史」は、理系科目である科学と、文系科目の歴史や人文学とを同時に研究する、「文理融合」の学問です。もしもあなたが、文理選択はしたものの、「自分は本当にそのコースに向いているのか?」という疑問を感じているとすれば、科学史はピッタリの学問分野かもしれません。科学の発展の足跡をたどる際、歴史や時代背景などを理解しないと、本当の答えが導き出せないことがあるのです。

コペルニクスやガリレオの偉業の背景

 例えば「地動説」で知られるコペルニクスは、科学的な思考力だけで地動説を唱えたのではありません。古代ギリシア時代、太陽神信仰に基づいて提唱された「太陽こそ宇宙の中心」とする学説を、16世紀の観測技術によって再構成したのです。
 金星の満ち欠けの研究で地動説を確定的にしたガリレオも、数学的に記述できる結果しか信用しないという、それまで誰もやらなかった実験手法を取り入れました。その時代の固定観念に縛られなかったからこそ、ガリレオは数々の科学的偉業を成し遂げられたのです。

ものごとを総合的に判断する能力が大切

 初対面の相手に、いきなりなれなれしくボディタッチする人は滅多にいません。それは私たちが、親しくもない人の体に触れるのがマナー違反であることを、「常識」として認識しているからです。しかし、医療現場ではどうでしょう。患部に手を当て、「痛いのはここですか」と、丁寧に触診してくれる医者の方が、患者の信頼を得られると思います。
 コペルニクスやガリレオの事例もそうですが、「これが常識」という思い込みを持たないことが、学問の発達に結びつくケースが多々あります。また、「自分は文系(あるいは理系)コースだから、この科目はわからなくてもよい」といった思い込みをリセットすれば、学問をより深く理解する力が身につくでしょう。そうすることで、ものごとを総合的に判断してよりよい方向性を検討できる、「コーディネーター型」人材になれるはずです。

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この学問が向いているかも 科学史、科学技術論、歴史学


国際総合科学部  教授
川﨑 勝

先生の著書
メッセージ

 高校では、1年の終わり頃に文理選択を行い、その後は文・理それぞれのプログラムで授業を受けるようになると思います。ただ、「自分は文系だから数学や物理は理解しなくてよい」といった類の考え方は禁物です。文理選択は大学受験のための一時的区別に過ぎず、自分の可能性を「捨てる」ためのものではありません。
 社会に出てから直面するさまざまな問題に、文系・理系の区別はありません。文系でも理系的な考え方を持てる人、また理系であっても文系的な思考ができる人が、これからの社会では必要とされているのです。

先生の学問へのきっかけ

 自分自身、高校時代、理系に行こうか、文系に行こうかずっと迷っていました。理系から文転はできるけど、文系から理転は難しいかな、と思い、ずるずる理系のまま受験を迎え、大学に入学した当初は、漠然と科学者になりたいと思っていました。幸い私が入学した大学は、2年の半ばに自分の所属する学部・学科を選択できたので、その時間の中で、そもそも科学とは一体何なのだろうかということを考えていて科学史という学問分野に出会いました。そうか、自分が本当にやりたいことはこういうことだったんだ、とはじめて納得がいった次第です。

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