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大阪大学の教員によるミニ講義

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環境保護に関する西洋と東洋の根本的な考え方の違い

捕鯨をめぐる西洋的視点と東洋的視点

 経済成長が著しい東アジアでは、同時に環境破壊も進んでいるため、いかに環境を守るかが重要な課題となっています。もちろん環境は保護するべきであり、環境保護は良いことです。しかし、環境保護について西洋の視点と東洋の視点が対立することもあるのです。
 この典型的な例が捕鯨についての考え方です。哺乳類最大の動物である鯨を殺して食べることはとても残酷だというのが西洋の一部分の海洋動物保護者の考え方です。一方、日本では鯨を食べることが食文化として古くから成立しています。

市場主義が滅ぼす野生動物

 中央シベリアに暮らすエヴェンキ人は、狩猟で生計を立てています。そのため捕り過ぎで動物を絶滅させるなどしない仕組みが、生活文化の中に組み込まれています。この根本にあるのは自給自足の考え方です。自然のバランスを崩さないルールを、狩りをする場合にも守っているのです。ところが外部から業者が毛皮などを買い付けに来ると、ルールが崩れてしまいます。例えば黒テンなどは高値で取引されるので(と言っても業者に中間マージンを取られます)、生態系のバランスを崩すほど捕り過ぎてしまうのです。市場の論理が入ってくることで、伝統的文化が壊されているのです。

文化的情報を発信することの重要性

 牛のフンは、一般的にはゴミと考えられています。ところがモンゴル語では、牛のフンをフンやゴミと呼ばず、「アラガル」と言います。アラガルはゴミではないのです。なぜならアラガルを乾燥させると燃料になり、粘土を混ぜると建築材料となるからです。また、ラクダのホルゴル(フン)と羊のホルゴル(フン)は子どもたちの遊び道具(日本の囲碁に似た遊びで、ホルゴルは駒になる)になります。
 ここに見られるのは、明らかな文化の違いであり、善悪の判断がつくような問題ではありません。ただし西洋の主張を一方的なものにしないためには、アジアに暮らす少数民族も自分たちの考え方や文化を、例えばインターネットなどを使って世界に向けて発信することが大切です。

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この学問が向いているかも 文化人類学、生態人類学


グローバルイニシアティブ・センター  准教授
思 沁夫

メッセージ

 私は内モンゴルの大草原で、遊牧民の一人として育ちました。遊牧民の暮らしで何より大切なのはリズム感です。リズムは人により、また文化によっても異なるものです。あなたも、ぜひ自分なりのリズム感を見つけて、それを大切にしてください。そして自分だけのドラマ、物語のある人生を歩んでほしいと思います。人は個性を生かすほど幸せになることができますし、自分の力をより発揮することもできます。ぜひ自分の物語を生きてください。
 また毎日勉強に励むあなたには、一日一回大きく笑うことをお薦めします。

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