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大阪大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 薬・医薬品、
  • 植物、
  • 環境、
  • ストレス、
  • 健康、
  • 食料・食糧、
  • 地球温暖化

光や乾燥、温度など「環境ストレス」に強い植物を人類の健康に生かす

新しい薬を作るには

 現在使われている薬の多くは、天然の植物が作る物質やその構造をもとにして化学合成によって作られた物質です。ですから、新しい薬を作る研究では、植物の中からそのような薬となる物質を見つけることが重要です。新しい薬を見つけるために、このような物質を作る天然の植物を探す研究や、植物がこのような物質を作る仕組みを解き明かす研究が行われています。

植物が身を守るために作る物質が薬となる

 植物は、成長を抑制するような環境ストレス(外的ストレス)を与えると、新たな物質を作ったり、すでにある物質をさらに増やしたりします。環境ストレスとは、強い光や紫外線、乾燥、高温、低温、害虫や微生物による攻撃などです。このときに作られる物質の中に、薬の原料や害のない農薬など人間にとって役立つものがあるのです。そこで、どのようなストレスを与えるとどんな物質が作られるのかを調べ、その仕組みを明らかにすることで、効率よくこのような役に立つ物質を得ようという研究が行われています。
 例えば、植物にある特定の波長の光を当てると、希少な薬となる物質を作るための反応が促進されることが知られています。この仕組みを突き止めれば、植物を栽培する条件をコントロールしたり、遺伝子組換えの技術を使ったりすることによって、こういった物質を効率的に生産することができるようになると考えられます。

食料問題や環境問題にも役立つ研究

 実は、植物と環境ストレスに関する研究は、薬の研究だけではなく、人類が直面している問題を解決する糸口にもなります。寒い場所でもよく育つ植物ができれば、今より広範囲でたくさんの食料が作れるようになりますし、乾燥に強い植物を作ることができれば砂漠の緑化になり、地球温暖化を防ぐ手立てになるかもしれません。植物の研究は、私たちの健康を守り、安全安心に暮らすために、幅広い領域で力を発揮するものなのです。

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この学問が向いているかも 環境薬学、植物生理学


薬学部  教授
平田 收正

メッセージ

 薬学は、人類の健康を守り、安全安心に暮らすための学問です。大阪大学薬学部では、薬の成分を合成することや見つけることから、薬の効き目を確かめて製品にすること、そして患者さんに薬を届けるところまで、あらゆる段階を専門的に学ぶことができます。医療現場はもちろん、研究開発や行政にたずさわる優れた人材を育成していますので、興味があれば薬学をぜひ広い視点でとらえて、学んでください。物理、化学、生物などいろいろな分野につながっていますので、幅広い知識を身につけて、将来の社会に貢献してほしいと思います。

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