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岡山大学 環境理工学部の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 乳酸、
  • プラスチック、
  • 水素、
  • 食用油、
  • 触媒、
  • リサイクル、
  • ゴミ、
  • 環境、
  • バイオ燃料、
  • バス

ゴミをすべて使いきる「夢のリサイクル」

バイオ燃料の作りカスから何を作れるか

 廃棄された食用油を活用して、バスを動かしていることを知っていますか。岡山や京都では廃棄油から作られたバイオ燃料を使って、バスを走らせています。これまでなら捨てられていた食用油を再利用しているのですから、立派なリサイクルです。ただ、それでもまだ大量のゴミが残ります。食用油からバイオ燃料を作ると、副産物としてグリセリンが出るのです。このグリセリンを使って何か役に立つ物質を作りだせれば、さらにゴミを減らすことになり、環境に対するダメージをより抑えることができます。

グリセリンからプラスチックの原料を作る

 グリセリンをある条件の下で反応させると、プラスチック原料である乳酸ができます。分子式を見ればグリセリンがC3H8O3、乳酸はC3H6O3ですから、グリセリンからH2(=水素分子)を取れば乳酸になります。この反応を起こすために必要な条件は、グリセリンを350度・150気圧ぐらいの高温高圧環境の中に保ち、水酸化カリウムなどのアルカリ物質と水を加えることです。水酸化カリウムは食用油からバイオ燃料を作るときにも使われます。つまりグリセリンから乳酸を作るために、何か特別新しいものを加える必要はないため、うまくいけばゴミを減らすことができるのです。

乳酸を効率よく取り出すために

 実は今のところ、グリセリンが乳酸になる反応過程はよくわかっていません。反応がいくつかの段階を踏んで進んでいることは明らかですが、途中経路が不明なのです。現状では投入したグリセリンの量に対して、取り出せる乳酸の量は9割程度で、まだ1割の無駄があります。より効率を高めてグリセリンと同じ量の乳酸を取り出すことができれば、廃棄食用油を完全に使いきることになります。そのために、触媒を使ったり、温度と圧力の関係を変えたりするなど、さまざまな角度から研究が進められています。

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この学問が向いているかも 生物生産化学、環境工学、エネルギー変換学


環境理工学部 環境物質工学科 教授
木村 幸敬

メッセージ

 目の前のものを、どうすればゴミにしないで済むか、何とかすべてを使い切る方法はないか。いつも、そんな意識を持ってください。ゴミを減らす方法考えるときには、化学の知識や考え方が大きな力になります。だから高校生の間にできる限り深く化学を勉強すると、将来とても役に立ちます。あなたの未来のためにも、地球環境をより素晴らしいものにしていく必要があります。環境問題に関心があるなら、ぜひ岡山大学環境理工学部で一緒に研究しましょう。

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