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大阪大学の教員によるミニ講義

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食べ過ぎとサヨナラする鍵は、脳にあり?

おいしいものを食べ過ぎてしまうのはなぜ?

 甘いお菓子やケーキ、揚げ物などの食べ物は、多くの人がおいしいと感じます。ダイエット中でも、それらを見るとつい食べ(過ぎ)てしまって、挫折することもよく聞く話です。食べ過ぎの原因には、心理だけではなく、身体のメカニズムも関わることがわかってきました。

食べ過ぎのスイッチを入れる脳の変化

 マウスに1日のうち長時間食べ物を与えず、ある時間帯にだけ濃い砂糖水と通常の食べ物(固形飼料)を与えて、彼らの摂取行動を観察します。毎日この実験を繰り返すと、最初の1時間での砂糖水を飲む量が徐々に増えていき、実験の10日目には初日の約4倍も飲みました。マウスの体重の約5分の1に相当する砂糖水をわずか1時間で飲んでしまったのです。この結果を人間に単純には当てはめることはできませんが、驚きの行動と言えます。
 実験中のマウスでは、脳の中にある「報酬を得よう」とするシステムの働きが強くなることがわかってきました。つまり、甘くておいしい砂糖水を飲むことによって得られる心地良さや満足感を「もっと欲しい」という欲求のスイッチが入ると考えられます。また、マウスは自由な食事をとれないのでストレスを感じています。甘いものを摂取すると、ストレスが軽減されると言われています。つまり、砂糖水を飲むとストレス軽減という報酬も得られるのです。これらの報酬を得る経験が繰り返されると、脳に変化が生じてしまい、砂糖を多くとろうとする行動が強く学習されるのだろうと考えられます。

食べ過ぎは防止できるの?

 現代人は甘いものを食べて得られる心地良さや満足感、そしてストレス軽減を日頃から体験済みです。甘いものを食べる行動と結果として得られる報酬との関係性を脳が無意識に記憶し、ダイエットなどの食事制限中には、それを思い出してしまうために「もっと欲しい」スイッチが入るのかもしれません。これらのメカニズムがより詳しく解明されれば、食べ過ぎを効率的に抑える方法の開発や過食症の患者の治療に役立つと期待されます。

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この学問が向いているかも 実験心理学、脳科学、神経科学、食行動学


人間科学部 人間科学科 教授
八十島 安伸

メッセージ

 誰もが必ず持っている「脳」。脳の「学習」する働きがあるからこそ、日常のさまざまな行動が実現されています。学習というと、知識の暗記やテスト勉強のことと思うかもしれませんが、学習とは日々「生きること」に深く関わっています。学習にともなって脳は変化し、自分が変わっていきます。脳を変えることは、未来で自分が生きる世界を変えることにつながるでしょう。未来のために文章や事物をイメージして理解できる「力」とその想像や理解を言葉や行動などを通じてほかの人に明確に表現できる「力」をあなたの脳の中に育ててください。

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