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大阪大学の教員によるミニ講義

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「国民の幸福度No.1」の国、デンマークの背景を探る

何より大事な「HYGGE」

 デンマークという国について、あなたは何を知っていますか? 2010年サッカーワールドカップの日本の対戦国、アンデルセン童話、組み立て式玩具のLEGOブロックなどでしょうか。デンマークは近年「世界の国民の幸福度調査」で1位を獲得したことでも知られています。
 デンマーク人の好きな言葉に「HYGGE(ヒュゲ)」があります。これはデンマーク独自の概念で、「ゆったりとした心地良さ」「楽しく親密な雰囲気」などという意味です。デンマーク人にとっては人生を心地良く過ごすことが一番大切なことであり、社会のシステムもそれを中心に考えられています。医療や教育が基本的に無料であること、社会福祉の充実、環境先進国、男女平等であることなどは、その表れです。

国を良くするのは自分たち

 これらは、デンマーク人が自分たちの国を良くしていこうと、努力して運動を積み重ねてきた結果です。決して最初から社会システムが充実していたわけではありません。政治に対しても、国民一人ひとりが関わるという姿勢が強く、国会議員選挙などの投票率は常に80%台を保っています。組織作りが好きなデンマーク人は、学生から高齢者まで、さまざまな世代の人が一致団結して声を上げ、活動します。自分たちの力で社会を変えられるという確信が、幸福度1位の一つの背景だと言えます。

「コ・ハウジング」という住まい方

 仲間作りという意識は、住まいに関しても表れます。50代くらいの元気なうちに、コミュニティとして複数の家族が一カ所に家を建てて生活する「コ・ハウジング(生活協同型住宅)」をつくるシニアが増えています。それぞれの住居と共同スペースがあるコ・ハウジングは、高齢になったときの孤独感の解消や協同生活による合理性の実現とともに、自治体にとっては将来の介護ニーズも減らせるというメリットがあるため、助成金を出すところも少なくありません。このように、デンマーク人の生活や社会に「HYGGE」の概念はうまく取り込まれているのです。

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この学問が向いているかも 外国語学、デンマーク語学、社会福祉学


外国語学部 外国語学科 デンマーク語専攻 准教授
石黒 暢

先生の著書
メッセージ

 外国語と、その国の文化と社会について学ぶことは、外国を通して自分の国を相対的・客観的に見る作業でもあります。外国語学部というと、言語ばかり勉強すると思われがちですが、大阪大学外国語学部デンマーク語専攻には言語・文学・社会・歴史という4つの柱があり、基礎的な言語能力を身につけた上で、それぞれの研究を進めます。国民の幸福度が世界一高い国、デンマークの人々は、実際にどんな生活をし、何を感じて暮らしているのでしょう。デンマーク語を理解してその国の実態に迫ってみませんか。

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