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大阪大学の教員によるミニ講義

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伝統音楽から東南アジアを探ってみよう

伝統音楽の主流はアンサンブル

 東南アジアの伝統音楽の特徴は、独奏ではなく集団による合奏、つまりアンサンブル形式の音楽が多いことです。その代表的なものが、インドネシアやマレーシアなどで見られる「ガムラン」。地域によって楽器の素材や編成はさまざまですが、一般的には青銅・鉄・真鍮(しんちゅう)などを材料にした金属打楽器を中心に、太鼓、木琴、笛、鼓弓(こきゅう)、歌などを加えた大規模なものです。

楽器が富と権力のシンボルに!

 金属楽器の中で銅と錫(すず)の合金である青銅は、深い響きを出すことから打楽器に適しています。東南アジアの青銅楽器は、ほかの楽器とは別格としてとらえられています。金属を溶かしてハンマーなどで叩き伸ばし、楽器につくり上げるには、財力や設備、高度な技術が必要なので、特に加工が難しい青銅製の楽器は権力や威信の象徴とされてきました。大型のゴング(コブのある金属打楽器)をつくるときは吉日を選び、供物を捧げ祈りが込められます。そうしてつくられたゴングには魂が宿り、神秘の力が備わるとも信じられているのです。

生活に根付いている伝統音楽

 金属だけではなく、東南アジアの楽器には自然から豊富に採取できる竹や葦(あし)などを使ったものもたくさんあります。例えば、無形文化遺産にも認定されたインドネシアの「アンクルン」。竹枠に複数の竹筒をはめ込み、振ることで竹筒を枠にぶつけて音を出します。ほかにも鼻息で繊細な音を響かせる「鼻笛」、口にくわえて演奏する「口琴(こうきん)」などユニークなものもあります。
 また東南アジアでは、学校教育のカリキュラムとして伝統楽器の合奏を取り入れたり、地域や会社などコミュニティごとに楽団を組織し、行事があるごとに催しをしたりと、伝統音楽が人々の生活に身近なものとして根付いています。楽器だけではなく歌・語り・朗誦(ろうしょう)、かけ声なども含めた“声の芸能”も盛んです。インドネシアなどでは影絵人形芝居や仮面劇とガムランが一体となり、総合的上演芸術として発展しています。

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この学問が向いているかも 芸術学、民族音楽学、東南アジア研究


人間科学部  教授
福岡 まどか

先生の著書
メッセージ

 私たちの日常生活では、生の芸術上演を観る機会や自ら芸術を演じる機会は少ないかもしれません。しかし世界の多くの場所で芸術は人々が生きていくために重要な位置づけを持っています。まずは身近なところで、誰かと一緒に舞台で演じる体験や芸術上演に触れる体験をしてみてください。ダンスや音楽、演劇などの力を借りて精神を解放することで、人の知性や表現力の幅広さを実感することができます。日常と異なる体験は、いろいろな発見があり世界がグンと広がるでしょう。そして機会があればぜひ東南アジアの芸術にも触れてみてください。

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