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大阪大学の教員によるミニ講義

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バイオフィルムをやっつけろ! 二大歯科疾患との終わりなき戦い

虫歯と歯周病の原因はバクテリア

 歯科の二大疾患は虫歯と歯周病で、人類でもっともポピュラーな病気です。虫歯の原因はミュータンス菌などの細菌(バクテリア)ですが、歯周病の原因も歯垢(しこう:プラーク)に含まれる歯周病菌が原因だということが1970年代以降明らかになりました。歯周病は歯周病菌に感染し、歯茎が腫れたり出血したりして最終的には歯が抜けてしまう、歯の周りの病気の総称です。

バクテリアの休眠期には効かない抗生剤

 当初、歯周病の治療には、口の中で使える抗菌剤を歯と歯肉の隙間のポケットに閉じ込めて、1週間ほどじわじわと有効濃度が続くやり方をとればよいと考えられていました。しかし21世紀に入ると、この方法があまり効かないことがわかってきました。口中で活動しているバクテリアは、急性的に増殖する時期もありますが、おとなしく巣ごもりしている時期が多いのです。抗生物質は菌の増殖期に効果が現れるので、バクテリアが巣ごもりしている時期は治療効果が上がらなかったのです。

バイオフィルムをいかにして制御するか

 また、抗菌剤が効かない理由はほかにもありました。口の中にはなんと500種類ものバクテリアが存在しており、人間の体内で最もバクテリア数が多い環境なのです。口中のバクテリアは集合体を作って歯の表面にバイオフィルム(菌膜)を形成します。バイオフィルムとは微生物による構造体で、これが歯垢の正体だとわかってきました。デンタルバイオフィルム内の細菌が歯に影響を及ぼすと虫歯に、歯茎や骨に影響を及ぼすと歯周病になるのです。ミュータンス菌などが作るバイオフィルムは数日で成熟し、強固となって抗菌剤や洗口液が通りにくくなります。現在ではこすりとるのがバイオフィルム退治の最も有効な方法とされていますが、バクテリアが集団を作るメカニズムを断ち切る薬剤の研究も進められています。今のところ歯磨きを正しく行う、定期的に歯科で歯垢や歯石のクリーニングをするという地道なケアが、やっかいなバイオフィルムから歯を守る予防策と言えます。

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この学問が向いているかも 歯学、歯科保存学


歯学部 歯科保存学教室 教授
恵比須 繁之

メッセージ

 現在、歯科医は飽和状態だと言われており、町では多くの歯科医院がしのぎを削っている状態です。しかし、自分の道を切り拓く環境として、国内にとらわれる必要はありません。積極的に海外に出て、新しいステージを開拓してください。大阪大学歯学研究科は平成20年度に文部科学省が公募した「大学院教育支援プログラム」に採択され、テーマである「先端科学から未来医療を創る人財の育成」の一環として、海外語学研修サマープログラムを実施しています。院生の海外研究機関での武者修行を奨励し、グローバルな人財の育成に努めています。

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