夢ナビWebセレクション

大阪大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 免疫、
  • ホルモン、
  • 遺伝子、
  • DNA、
  • ヒトゲノム、
  • 環境、
  • 予防、
  • 病気、
  • 甲状腺、
  • 橋本病、
  • バセドウ病、
  • 双生児、
  • 予知、
  • 遺伝

遺伝と環境が、あなたの健康と病気を左右する

病気になる人、ならない人

 自己免疫性甲状腺疾患という病気があります。バセドウ病や橋本病が代表的な疾患で、甲状腺が自己抗体(自身の細胞や組織を攻撃する免疫体)などによって攻撃され、さまざまな症状を引き起こす内分泌系の病気です。甲状腺の自己抗体は約10人に1人が持っており、そのうち実際に発症するのは1~2割です。つまり自己抗体を持っていても病気になる人とならない人がいるわけです。その理由を解明する研究がいま行われています。病気を治すのも大事ですが、発症する原因を解明し、発症を予知し予防できればそれがベストです。

たった1つの複製ミスから

 自己免疫疾患の場合、遺伝的な要因(遺伝因子)が7割、後天的な要因(環境因子)が3割と言われています。遺伝因子とは遺伝子、つまりDNAのことですが、DNA塩基配列(A、G、C、T)の中で、1塩基が違うものを「一塩基多型(SNP)」と言います。DNA複製の際のミスで生じるものと考えられ、約1000塩基ごとに1塩基の割合、つまり30億個のヒトゲノムの中には約300万個のSNPがあると推定され、1塩基配列が違うと、それだけで疾病や体質の素因になり得ます。現在、一塩基多型の中でも特に遺伝子の発現(活性)に影響するものを、世界中の研究者が調べています。どんな遺伝子を持っている人がどんな病気になりやすいのか、どんな副作用が出やすいのか、どんな合併症を引き起こしやすいのか、徐々に解明されつつあるのです。

環境因子の研究も

 環境因子によって遺伝子の発現が左右される現象を研究する学問を「エピジェネティクス」と言い、その一環として「ツインリサーチ」というプロジェクトがあります。一卵性双生児は遺伝的背景が全く同じにもかかわらず、片方だけが認知症になり、片方だけが発がんするなど、そんなケースが多々あります。そういった事例を集め、環境因子が疾患や遺伝子にどんな影響を与えるのかを研究します。
 遺伝因子と環境因子、この2つのなぞが解明されれば、完璧な予知と予防が可能になるでしょう。

再生スピードを変更できます。

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 保健学、検査技術科学 臨床検査医学


医学部 保健学科 検査技術科学 教授
岩谷 良則

メッセージ

 私は子どものころ「鉄腕アトム」に夢中になり、人工知能を作ってみたくて工学部に進もうと思っていました。しかし縁あって医学部に進学することになり、出会ったのが甲状腺と橋本病の研究です。橋本病を発見したのは私の母校(九州大学)の大先輩である橋本策(はしもと はかる)先生ということにも、何かの運命を感じました。
 進学や就職の際には、自分が面白いと思う分野、興味のある分野に進んでほしいと思います。高い志を持ち、しっかりとした目標を立て、前向きに頑張れば、必ず成功するでしょう。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学教員、大学病院臨床検査技師、製薬会社臨床開発職、臨床検査機器試薬会社研究開発職/学術職、国公立病院臨床検査技師など

TOPへもどる

夢ナビロゴ

夢ナビ編集部copyright(c) 2008- Frompage Co.,Ltd. All Rights Reserved.