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大阪大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 音、
  • 騒音、
  • 心理学、
  • 感覚、
  • 携帯電話(ケータイ)、
  • 環境、
  • テレビ

テレビの砂嵐の音と滝の音、どっちがいい音?

好きな人からの携帯電話の着信音はうれしい?

 「電車内では携帯電話をマナーモードに」、公共の交通機関ではこんな標語をしばしば見かけます。電車のように狭い空間のなかで鳴る携帯電話の着信音は、耳障りに感じる人が多いのです。ジェット機が飛び立つような大きな音ではないのに、なぜ気になるのでしょうか?
 「騒音」とは聞く人にとって不快な音、うるさいと感じる音のことです。電車内の着信音は自分の音なら気にならないのに、他人の音だと気になるという人がいます。またキライな相手の着信音はうるさく感じるのに、友だちや恋人だと好ましく思う人もいます。騒音は、人それぞれの受け取り方によって基準が異なる少々身勝手とも思える“音の感じ方”で決まるのです。

音の感じ方は主観的・感覚的なもの

 テレビ放送が深夜に終わった後のザーッという砂嵐の音(ホワイトノイズ)と、滝から水が流れ落ちる音を使った心理学の実験があります。二つの音を聞いたアンケートの結果は、どちらも「耳障り」「不快」というものでした。ホワイトノイズと滝の音は、音の成分だけを見るとどちらも同じような特性を持っています。つまり聞くだけでは、違いがわかりにくいのです。ところが滝の雄大な映像と一緒に滝の音を聞かせると、「気持ちいい」と正反対の回答が多く得られました。音量や音の性質が同じでも、滝の持つプラスなイメージと一緒に聞くと心地よく感じ、それがないと不快に感じるという、音に対する人間の反応はまさに主観的で感覚的なものなのです。

万人に好ましい音や不快な音はない

 また音の感じ方は、経験と深く結びついています。同じような音であっても、それまでの経験によって、嫌な音にも好ましい音にも感じます。また同じ人でも環境が異なれば、違った感じ方になります。人によって実にさまざまな受け取り方があるのですから、万人にとって好ましい音、いい音というのはありません。反対に万人に不快な音もないのです。だからこそ、音の感じ方から人間の心理に迫る研究は面白い分野だと言えるでしょう。

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この学問が向いているかも 環境心理学、心理学、行動学


人間科学部  准教授
青野 正二

メッセージ

 私が大学生のときを振り返ると、自分の専門科目に関係のない講義は役に立たない、つまらないと思って受けていたことがありました。しかし、どの講義にも一つ二つ印象に残っている話があります。今、自分が担当する講義の準備をするとき、たくさんの資料を調べますが、ふと気が付くと当時の講義で聴いた話が役に立っています。大学は垣根を越えて、複数の学問領域がオーバーラップするところです。いろいろな学問が背景でつながりあっているので、敬遠せずに学びましょう。後で役に立つことがきっとあるはずですよ。

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