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講義No.08857

記憶や学習の仕組みと子どもの世界の不思議を心理学から探究する

頭の働き≒心の働き?

 人間の心を研究する学問である心理学は、心の悩みやカウンセリングのイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません。私たちが考えたり、計算したり、覚えたりといった頭の中(脳)で行っていることを心の働きとしてとらえ、その特徴を実験によって明らかにする「認知心理学」という分野があります。認知心理学で研究する心のメカニズムは、日常生活はもちろんのこと、学校の学習場面とも大いに関係しています。

大人と子どもは文化が違う?

 大人と子どもでは、思考や記憶の特徴が異なります。ただし、子どもは大人よりもただ単に幼いのではなく、大人とは違ったものの見方、考え方をする、いわば「異なる文化の人」ということができます。心理学の中で、このような子どもの特徴や成長による変化を研究するのが「発達心理学」です。例えば、子どもの思考や記憶は映像的で、大事なものよりも「目立つもの」を優先し、見かけに影響されやすいという傾向があります。しかし、文字がすらすらと読めるようになる9歳頃から、思考や記憶の中心が映像から言葉に入れ替わり、それとともに、次第に目立つものよりも「大事なもの」という、論理的な考えができるようになっていくのです。

心理学を教育に生かす

 思考や記憶の特徴には、さまざまな個性や個人差があります。例えば勉強では、耳で聞いた方が覚えやすい人と目で見た方が覚えやすい人、文字の方がよく理解できる人と図に表した方がよく理解できる人、物事を順番に考えた方が整理できる人と全部を一度に見て関係を考えた方が整理できる人、などさまざまな個性があって、ほかの人と同じやり方ではできないけれども、やり方を変えればよくできる、ということも多いのです。このように心理学を学習や教育に応用する学問が「教育心理学」です。子どもが自分のクセに気づき、また学校の教師もそれぞれの子どもの個性を理解しながら授業を行うことで、子どもの勉強に対する苦手意識を減らし、力を伸ばすことができるのです。

心理学で考える記憶の仕組み

夢ナビライブ2018 大阪会場

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この学問が向いているかも 認知心理学、発達心理学、教育心理学

京都教育大学
教育学部 学校教育教員養成課程 教育学専攻 准教授
田爪 宏二 先生

先生の著書
メッセージ

 私たちの日頃のものの見方や考え方を心理学の視点で見ていくと、興味深いことがわかってきます。例えば、思考や記憶にはさまざまな特徴や個性があります。また、子どもには大人とは違う独特な世界のとらえ方があることがわかります。そのことを理解していれば、子どもの教育に携わる際に、子どもの力を十分に生かし、伸ばすことができるでしょう。
 また、自分自身の認知のクセを理解することは、学習や進路の選択にも役立つでしょう。認知心理学、発達心理学を通じて、ものの見方、考え方の特徴やその発達を学んでみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃、漢字や人名、年号などを暗記するのが苦手でしたが、好きな歌手の歌だと、歌詞が英語であってもすぐに覚えられることに気づき、この違いは何なのかと疑問を持ちました。そこで大学では心理学を専攻し、人間の心の働きについて実験を通じて明らかにする認知心理学に興味が湧きました。教育実習などを通じて出会った子どもたちの姿から心の発達を観察するうちに、子どもの記憶や学習は、大人よりも幼いというよりは、大人とは違った見方、考え方の特徴を持っていると考えるようになり、発達心理学に惹きつけられました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

幼稚園・小学校・中学校・高等学校の教師/児童相談所や施設の発達相談員/保育所の保育士

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田爪 宏二 先生がいらっしゃる
京都教育大学に関心を持ったら

 京都教育大学は、優れた教員を養成するため、教科と教職に関する知識と技能、それらを基盤として教育実践のさまざまな課題に対処するための思考力・判断力・表現力などの能力を育成し、教育の現場において主体的に仲間と協働して課題を解決しようとする態度を養います。このような教育と学生一人ひとりへのきめ細かい指導を通して、子どもの成長する過程に関わることに大きな喜びを感じ、人間の成長と社会の発展における教育の役割を理解して、自ら研鑽を続ける教員を養成します。

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