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講義No.08402

患者さんの人権を守り、「その人らしさ」を尊重するリハビリを考える

作業療法士が行う究極のリハビリとは?

 「人は作業をすることでその人らしく、健康な生活を送ることができる」と作業療法士は考えています。病気やケガなどが原因で体に障がいが残った場合、リハビリテーションの専門職は機能回復と日常生活に必要な生活技能の修得を支援します。もちろん病院で行われる医学的なリハビリテーションは重要ですが、治すこと、自立した生活を送ることだけがリハビリテーションの本質ではありません。日本ではまだ治すリハビリに偏りがちですが、障がいの有無によらず人はやりたいことの実現が重要であり、道具などの環境を考慮したリハビリテーションが作業療法士の得意分野とも言えます。「自分らしく生きる」を支援することが究極のリハビリテーションなのです。

支援は、その人ごとに異なるアイデアが必要

 例えば、病気のため手に麻痺が残っている料理好きな人に「スパゲッティを作ってみませんか?」と提案します。手を動かすのが大変な本人はその提案を「手を使う訓練」だと感じます。しかし作っている間に「おいしいものを作りたい」「誰かに食べさせたい」という気持ちが大きくなっていくのを感じ、麻痺とか健康とかを考えるより、ただおいしいスパゲッティを作ることに没頭します。その中で、料理が好きだったことを思い出し、そこに自分らしさを見出していきます。何が自分らしさにつながるかは、教科書にはない作業療法士の「センス」と「アイデア」です。

患者さんのよりよい生活を一緒に考える

 世界作業療法士連盟では「人の作業権(人権)を守ること」を使命としています。麻痺や年齢などを理由に、できないと決めつけるのではなく、本人がやりたいことを大切にします。
 日本では医学的なリハビリテーションや認知症のケアも充実しています。しかし「その人らしさ」という部分は十分とは言えず、訓練漬けで自分の目標を失い、苦痛にさえ感じる人もいます。本人の暮らし方や価値観の違いを把握して、よりよい生活を送れるように一緒に考えることが、作業療法士の大切な役割なのです。

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自分らしさを支援する専門職、作業療法士

夢ナビライブ2017 仙台会場

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自分らしさを取り戻すために

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新しい障がい基準とは

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意味ある作業を支援するのが作業療法士

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 作業療法学、作業科学

東北福祉大学
健康科学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 教授
佐藤 善久 先生

メッセージ

 障がいのある子どもが生まれると「神様からの贈り物」と考える国があります。この子のために通りやすい道を作り、動きやすくしようと、家族みんなで協力し合い、一生懸命その子の人権を守る環境づくりに取り組むのです。本人だけが変わるのではなく、環境を上手に活用することこそ本当のリハビリテーションだと思います。
 私はアイデアをいろいろ持っている作業療法士っていいなと思います。また、そういう人を育てたいと考えています。興味のある人はもちろん、将来人の心に寄り添う仕事に就きたいと考えているあなた、ぜひ一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 東北初の作業療法士の養成校に進みました。作業療法士として働きながら、将来は酪農をしようと考えていましたが、母校の教員になり、海外で学ぶチャンスを得たことが、作業療法の面白さと深さに目覚めるきっかけとなりました。
 当時、日本では医学的な心身の機能回復に目標が置かれる一方、米国の作業療法士は小学校や企業などさまざまなところで活躍していました。作業療法士の優先課題も「その人らしさ」を支援することでした。
 海外のこうした考え方を日本の現場にも取り入れようと、情報発信にも積極的に取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

総合病院/リハビリテーション病院/小児施設/精神病院/老人保健施設/通所介護施設

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佐藤 善久 先生がいらっしゃる
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 東北福祉大学では、建学の精神である「行学一如」(理論と実践の融合)を目指し、キャンパス内にある附属病院「せんだんホスピタル」や介護老人保健施設「せんだんの丘」、幼稚園や保育所等の関連施設で様々な実習を行っています。実学臨床教育やインターンシップを行い、より現場に近い教育を実現します!福祉・マネジメント・子ども・医療・リハビリをキーワードに4学部9学科で構成されている「福祉の総合大学」です!

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