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講義No.08392

生活様式の見直しによって、「アルツハイマー」を予防する

体の動きを制御する複雑な脳の働き

 例えばあなたが何気なく右腕を前に伸ばすとき、実際には右腕を振り上げるのと同時に後方に踏ん張る動作が行われます。重心の移動に対応し無意識のうちに体のさまざまな部位を運動させてバランスを取っているためです。このように脳・神経系が情報を処理し、人体の働きを制御しています。ですから、神経細胞が失われたり、傷ついたりすることでさまざまな症状が引き起こされます。こうした一連の仕組みを研究するのが「神経生理学」です。

アルツハイマーの患者はなぜ増えている?

 アルツハイマー型認知症は、神経細胞の萎縮や損傷によって引き起こされる病気の1つです。現在、日本での患者数は増加し続けており、早急な対策が必要です。一方で、インドの農村ではアルツハイマー患者がとても少ないという研究報告が出ました。当初はそもそも平均寿命が短いからではないかと言われましたが、その影響を割り引いても認知症になる割合が低かったのです。神経細胞が傷つく原因には、ストレスがあります。ストレスは生きている以上避けられないものですが、日本とインドの農村ではストレスの種類が異なります。

昔ながらの生活様式でアルツハイマーを予防する

 現代人が都市生活で受けるストレスは過労や複雑な人間関係などさまざまですが、私たちの祖先は、厳しい自然環境に身を置く上で避けがたいストレスを受けていました。しかし、暑さや寒さをはじめ、自然のストレスに対しては長い間に耐性を獲得していたはずです。農村に暮らすということは、都市よりも自然環境が身近な生活様式と言えます。
 そのため、生来備わっているストレス耐性がアルツハイマーの発症を抑えたのではないかという仮説のもとで、東北地方の農村で、農作業に携わりながら元気に暮らしている高齢者を対象に調査が行われています。
 結論は今後の研究を待たなければなりませんが、薬や医療に頼らない新たなアルツハイマー予防として可能性が期待されています。

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この学問が向いているかも 神経生理学、脳科学

東北福祉大学
健康科学部 医療経営管理学科 教授
坪川 宏 先生

メッセージ

 今あなたに夢中になれるものがあるのなら、ぜひとことん熱中してください。人生を登山道に例えると、その入り口はいくつもありますが、登り続けて7合目ほどまでさしかかると、異なる道を選んだ人同士で不思議と話が通じるようになるのです。それは、1つの物事に熱中して取り組むことが、どの分野にも共通する本質的な学びを得ることにつながるからだと思います。
 異分野の人々が各々の専門性を高めた先には開けた人間関係が広がっています。それはあなたの視野を広げ、信頼できる関係性を築くための助けとなってくれるはずです。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の頃は体が弱く、学校を休んで寝ていることが多い子どもでした。そんなときは、やることもなく布団の中で自分の内面を見つめ、心の働きって不思議だなと思っていました。
 その後、世の中には「心理学」という学問があることを知って興味を持ちました。
 大学では体を制御する神経系統の働きについて研究し、一見単純な動きにも実はさまざまな指令が出されていて、その無意識の指令によって姿勢が保たれていることを学びました。
 その体験が、現在のアルツハイマーの予防についての新たな取り組みにつながっています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

製薬会社MR/大学職員/福祉施設職員/医療機関事務職員

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坪川 宏 先生がいらっしゃる
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 東北福祉大学では、建学の精神である「行学一如」(理論と実践の融合)を目指し、キャンパス内にある附属病院「せんだんホスピタル」や介護老人保健施設「せんだんの丘」、幼稚園や保育所等の関連施設で様々な実習を行っています。実学臨床教育やインターンシップを行い、より現場に近い教育を実現します!福祉・マネジメント・子ども・医療・リハビリをキーワードに4学部9学科で構成されている「福祉の総合大学」です!

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