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講義No.08262

「あなたが見ている世界」と「隣の人が見ている世界」は違うかも?

AIもかなわない、人間の天然知能

 友だちが歩く姿を見て「なんだか疲れているな」と感じたり、食器を見て「壊れやすそうだな」と判断したり、人間の脳はとても複雑な情報処理をしています。AI(人工知能)もかなわない素晴らしい天然知能が人には備わっているのです。ものを見るときにも、色や形だけではなく透明感・ツヤ・ざらつきなどのいろいろな情報を眼球の網膜から取り込んで、脳で処理をし、認識しています。
 もし、目の前にツヤツヤした赤いリンゴがあったとしても、本当にリンゴがツヤツヤした赤い色をしているわけではありません。あなたの脳が「ツヤツヤした赤いリンゴだ」と判断しているだけなのです。

リンゴが赤くない世界がある?

 大半の人は視覚や色覚の機能が似ているので、目の前のリンゴを「赤いリンゴ」として見ています。でも、中には違って見える人たちがいるのです。人間の眼球には赤・青・緑を感じる3種類のセンサがありますが、そのセンサが2種類だけの人です。その人たちは、特定の色を感じないので、例えば赤いリンゴが黒っぽく見えると推測されています。また、このような色弱の人は、日本におよそ300万人いると考えられています。つまりあなたの見ている風景が、隣の人が見ている風景と同じものとは限らないのです。

科学と工学の連携で、多様性を応援する社会へ

 黒地に赤い字で書かれた案内板を色弱の人が見たら、ものすごく読みにくいでしょう。社会には、多くの標識・表示・Webコンテンツ・印刷物がありますが、色弱の人や高齢者など、あらゆる人に見えやすいように配慮した「カラーユニバーサルデザイン」が求められています。そして、実際に色弱の人たちの色の見え方を再現するコンピュータ・シミュレーションや眼鏡型フィルタの開発も進んでいます。
 人間がどうやって世界を理解しているかを研究する人間科学・認知科学と、視覚技術などの工学を結びつけることで、多様性のある社会に貢献することができるのです。

再生スピードを変更できます。

色の見え方を科学する

夢ナビライブ2017 名古屋会場

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センサーの有無で「色」が変わる!

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ニュートンが「色」について言ったこと

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この学問が向いているかも 人間科学、情報工学、視覚認知情報学

豊橋技術科学大学
工学部 情報・知能工学系 教授
中内 茂樹 先生

メッセージ

 人間は、「目でものを見ているのではなく、脳で見ている」と言っていいでしょう。私は、視覚の機能と、その背後で情報処理をする脳のメカニズムを研究しています。
 研究の原動力は、受け身ではない「好奇心」です。今もあなたはテレビやインターネットから受け身で情報を得ていると思いますが、今のうちに好奇心を持って能動的に勉強し、深く正しく、世界を知る姿勢を身につけてください。それが世界を豊かにし、平和にする、すべての第一歩になるのです。

先生の学問へのきっかけ

 学生のときに、ある「逆転の発想」をしました。当時はコンピュータが注目されはじめた時代で、情報工学を学んでいたのですが、「コンピュータも面白いけれど、本当に面白いのはコンピュータにできないことなのかもしれない!」と思いついたのです。
 その後は、好奇心のおもむくままに、コンピュータと生物学の勉強を続け、人間科学と情報工学を横断する研究分野にたどりつきました。
 居心地のいい場所を抜け出して、ちょっとだけつらいチャレンジをすれば、その先にクオリティの高い喜びが待っていると思っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

照明機器メーカー設計/印刷会社研究員/映像機器メーカー設計

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中内 茂樹 先生がいらっしゃる
豊橋技術科学大学に関心を持ったら

 本学は、平成28年10月に創立40周年を迎えた工学系単科大学で、世界に開かれたトップクラスの工学系大学をめざしています。社会産業構造の変化、グローバル化時代に対応した人材育成の要求に対応するため、「基幹産業を支える先端的技術分野」と「持続的発展社会のための先導的技術分野」の2つの柱(5課程)で成り立っています。卒業生・修了生は「実践的・指導的技術者」として日本を代表する企業で活躍しています。

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