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講義No.07425

聖徳太子型コンピュータで、宇宙誕生や素粒子の謎に挑む!

宇宙誕生の瞬間、何が起こったのか

 「宇宙はどうやってできたんだろう」「原子の中には何があるんだろう」などと考えた経験はありませんか。それら目に見えない世界の謎を、実験と理論とで解き明かすのが「素粒子物理学」です。
 原子核は陽子と中性子が結合したハドロンでできていて、それはさらに、クォークなどの素粒子によって構成されています。宇宙が生まれた瞬間、ハドロンが「溶けた」状態でクォークが飛び回る「クォーク・グルーオンプラズマ」が発生し、それが宇宙に存在するさまざまな元素の「もと」になったと考えられています。

研究が進むとデータ処理が間に合わなくなる

 スイスにある世界最大の素粒子物理学研究機関では、宇宙誕生の瞬間に近い状態を、実験室レベルで再現する実験に成功しました。今後、研究が進めば、未知の素粒子や物理現象が発見されるかもしれません。
 さて、そうなると今度は、データ処理の問題が発生します。素粒子の実験ではゼロに近い「点」を検出するため、6億ピクセルの3Dカメラで、毎秒1000枚の画像を撮影します。そのデータ量は1秒あたりDVD240枚分にもなり、データを整理して圧縮しても、年間50PB(ペタバイト)、つまり約5200万ギガバイトのデータ量に達します。従来のコンピュータでは、データ処理だけで大変な時間とコストがかかってしまうのです。

「聖徳太子型コンピュータ」が生まれる?

 集積回路の専門的な理論は難解なので、たとえ話で説明しましょう。レジが1台しかないコンビニに100人の客が並ぶと、最後の客は99人分待たねばなりません。しかし、レジを10台に増やせば、最後の客でも9人分待てば自分の順番がやってきます。さらに、「一度に10人の話を聞き分けた」という聖徳太子のような人がレジに立てば、もっとスピードアップするでしょう。素粒子物理学の研究をさらに進化させるため、従来とは異なるやり方でデータ処理を行う、新たなコンピュータシステムの開発も進められているのです。

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この学問が向いているかも 通信情報学、物理学、電子工学

長崎総合科学大学
工学部 工学科 電気電子工学コース 教授
大山 健 先生

メッセージ

 私は高校時代、英語があまり得意ではありませんでした。志望大学に合格できたので、特に問題は感じていなかったのですが、大学で本格的に物理の勉強を始めてから、英語学習をしっかりやっておかなかったことを改めて後悔しました。論文や資料の多くが英語で書かれている上に、海外の研究者と意見交換する際も、絶対に英語が必要だからです。
 工学系の学問をめざすのなら、高校生のうちから数学や物理のセンスを磨くことはもちろんのこと、英語もきちんと勉強しておくことをお勧めします。

先生の学問へのきっかけ

 小学校4年生の頃から、コンピュータ言語やプログラミングに興味を持ち、大学生だった従兄弟(いとこ)とパソコンで遊んでいました。一般家庭にパソコンが普及し始めたのは1990年代後半ですが、その10年以上も前から、パソコンに夢中な小学生だったのです。
 高校生になると宇宙への興味が高まり、天体観測用の赤道儀を自作し、天体写真を撮影したりもしていました。そして宇宙への興味が発展し、いつの間にか相対性理論にハマってしまい、大学では物理学を専攻しました。その流れがそのまま現在の専門分野に生かされているのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学院進学/造船業電気通信技術

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大山 健 先生がいらっしゃる
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 長崎総合科学大学は、工学部、総合情報学部の2学部2学科8コースからなる私立大学です。「専門をきわめ、他分野も広く学べるコース制」と、「徹底した基礎力の養成」により、専門分野に限らず関連する多くの知識を横断的に習得し、多様化する技術分野に対応できる幅広い理解力を持つ人材を養成します。
 「学生第一主義」をビジョンに掲げ、各種ロボットコンテストや地域の活動など学生主体のプロジェクトを支援し学生の創作意欲を応援。さらに産官学が一体となった研究で、地域や社会に貢献する活気溢れる“実学実践”の大学です。

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