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講義No.05773

歯科での3Dプリンタ利用技術の、ほかの医療への応用

3Dプリンタ技術を手術支援に使う

 歯科技工の最新の技術研究では、コンピュータ上で虫歯のかぶせ物や義歯の3次元データを作り、そのデータから3Dプリンタで実際のかぶせ物や義歯を、あたかも印刷するかのように造形する技術が開発されています。この技術を、歯科以外の世界にも応用させようという研究が現在行われています。それは、手術の支援モデルというものです。

インプラント、歯周病手術での支援

 例えば、インプラントという治療があります。これは、顎(あご)の骨に穴を削る手術をして、ねじのように人工歯根を埋め込む技術です。この治療では、顎を走る神経や血管を傷つけることは許されません。しかし、多少訓練を積んでいる歯科医師でも、ぶっつけ本番の手術では不安はぬぐえません。そこで、CTスキャンで撮影した顎の骨を3Dプリンタで造形します。3Dプリンタでは色も染められるので、神経や血管の部分を赤く示すことができます。歯科医師があらかじめその模型で練習することで、失敗をなくせると期待されています。
 また、歯周病では人工の革のようなシートを貼りつけることで、溶けた骨を再建するという治療法があり、歯科矯正では下顎を切断して大きく歯並びを修正するという手術などもあります。それらの手術の練習に、この支援モデルは大変役立ちます。なお、この手術支援モデルには、石膏やプラスチックなどさまざまな材料が用いられていますが、練習後の廃棄物の処理を簡便にしようと塩を材料に使うシステムも登場しています。

幅広い医療への応用が可能

 さらに、口腔外科の世界にとどまらず、手や足の人工骨も作れますし、消化器官や心臓などにも応用できるかもしれません。歯のような細かいものが作れれば、骨を作るのは難しくないことです。さらに、この分野には日本人持ち前の器用さを生かすことができます。3Dプリンタは、さまざまな分野で革新をもたらすだろうと考えられています。歯科の世界での技術研究が進めば、それ以外の医療技術が大きく変わるだろうと考えられているのです。

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この学問が向いているかも 口腔保健工学、歯学

東京医科歯科大学
歯学部 口腔保健学科 口腔保健工学専攻 教授
鈴木 哲也 先生

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メッセージ

 歯科医療の一翼を担う歯科技工の世界は、今大きく変わろうとしています。3Dプリンタに代表されるようなコンピュータ技術の進歩により、虫歯のかぶせ物や義歯の多くの部分をコンピュータの力を借りて作ることができるようになっています。ただし、最後の過程には人間の匠の技が必要で、それにより本物そっくりに美しく仕上がります。これは、まさにコンピュータ技術と人間のアートが融合した新しい世界です。
 この分野で4年制なのは、東京医科歯科大学と広島大学だけです。ぜひ最新の技術を身につけるために本学に来てください。

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 東京医科歯科大学は、医学・歯学・保健衛生・口腔保健からなる医系総合大学であり、高い倫理観を備えた医療人を養成します。社会の要請に応え得る医師、歯科医師、コ・メディカルスタッフの養成は勿論、世界の第一線で活躍し得る研究者、指導者の育成を目指しています。したがって、大学は勉強するところではなく、勉強する方法を自ら学び、自律するための場であるとの認識を学生諸君に徹底しています。

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