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講義No.08774

私たちの暮らしを支える「地方財政」について、あらためて考える

地方公共団体の活動を裏付ける地方財政

 私たちの生活は、生まれてから、成長し、年老いて、寿命を終えた後も、地方公共団体の提供するサービスに支えられています。公立の学校、消防署、警察署、保健所など、社会を支えるのに欠かせない組織を運営するのは、各都道府県や市町村などの地方公共団体です。そうした組織の活動やサービスの提供を裏付ける財源を常に安定して確保するには、地方公共団体が地方財政で適切な施策を行っていくことが重要になります。

地方交付税交付金の緻密な制度

 地方公共団体は地域から地方税を集めていますが、各地域の地理や社会環境、経済状況の違いによって、地方税収入には大きな差が生じます。公共サービスにも違いがあります。そうした財政力の差から、地方公共団体が提供する公的なサービスの質に格差が生じることは避けなければなりません。そこで、その差を調整するために国が支出しているのが地方交付税交付金です。
 地方交付税交付金は、各地方公共団体に本当に必要な財政需要の実態を合理的に算定するため、地理や気候、人口密度、住民構成など、数々の要素から補正を施した「基準財政需要額」を算定し、そこから「基準財政収入額」を引いた額を「普通交付税」として交付しています。これらの算定は、たとえるなら新幹線をぴったり定時で運行させているシステムのように非常に緻密な仕組みによって運営されていて、いかにも日本人らしいアイデアの賜物と言えます。

国家財政と地方財政のあり方とは

 地方財政について考えることは、各地方公共団体やそこに住む住民のためだけでなく、日本という国全体の将来を考えていく上でも、非常に大切です。地方公共団体のサービスは私たちの暮らしの根幹を支え、豊かさのベースとなり、ひいては国そのものを支えていく柱となります。時代に応じて刻々と変化するさまざまなニーズに対応していくためにも、国家財政と地方財政は、車の両輪のように連携しながら運営していく必要があるのです。

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この学問が向いているかも 経済学、財政学、地方財政論

帝京大学
経済学部 経済学科 教授
茅野 英一 先生

メッセージ

 私は「地方財政論」を中心に授業をしています。私たちの日常の暮らしは、地元の地方公共団体に支えられていると言っても言い過ぎではありません。それらの公共サービスも、その裏付けとなる財源、財政があればこそです。
 帝京大学経済学部と聞くと、公務員志望の自分にはあまり関係ないかも、と思う人もいるかもしれませんが、本学部からも、かなりの数の卒業生が公務員になっており、地方公共団体に勤務している人も大勢います。私は「公務員の仕事を志望する人たちの助けになれればいいな」と思いながら、日々授業をしています。

先生の学問へのきっかけ

 以前は神奈川県の職員として、地方財政業務に約23年間取り組んでいました。自治省の財政局財政課に派遣されていた時期もあります。日本地方財政学会にも参加するなど、当時から地方財政について、興味と関心を持っていました。そうした関心による活動が積み重なって、大学で教鞭を執りながら、地方財政の研究に携わるようになりました。
 国家財政と地方財政は車の両輪のようなもので、それぞれが互いに連携しあって適切に運用されていくことが、私たちの暮らしの豊かさのベースになり、日本の将来を切り開くための力になるのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

地方自治体(都道府県・市町村)行政職/警察官/消防職/国や地方の第三セクター職員

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茅野 英一 先生がいらっしゃる
帝京大学に関心を持ったら

 医療系・文系・理系と幅広い分野の10学部30学科を擁する総合大学です。文系学部を中心とした八王子キャンパスでは、約15,000人の学生が学んでいます。東京多摩丘陵の自然豊かな景観に位置し、キャンパスリニューアルにより新校舎棟「SORATIO SQUARE(ソラティオスクエア)」が2015年9月完成。
 2017年11月には2期エリアが完成予定であり、「帝京大学総合博物館」をはじめとした、施設・設備が整備され、教育指針である「実学」「国際性」「開放性」を柱に、自ら未来を切り拓く人材を育成しています。

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