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岡山大学 環境理工学部の教員によるミニ講義

関心ワード
  • ゴミ、
  • 廃棄物、
  • バイオマス、
  • 循環型社会、
  • 発電、
  • エネルギー、
  • ガス

バイオマスのガス化が実現する、新発想のエネルギー活用

廃棄物は有用な物質やエネルギーの宝庫

 人間が生活すれば大量のごみが生まれます。日本では「廃棄物の適正処理」という考え方に基づき、1960年頃からごみの焼却処理が進められてきました。焼却施設数は全国で1100カ所を超えています。近年では「循環型社会」をめざし、単に焼却処理するだけでなく、廃棄物の中から有用な物質やエネルギーを回収する動きが盛んになっています。ごみを燃やすときに出る廃熱の発電への活用もそのひとつですが、我が国では小規模の焼却施設が多く、ただ燃やすだけでは充分な発電効率が得られません。

バイオマスを蒸し焼きして水素や一酸化炭素に!

 そこで、廃棄物系バイオマス(再生可能な生物由来の有機性資源)である木質チップなどを低い温度でガス化して、発電のための中間原料や化学原料となるH2(水素)、CO(一酸化炭素)などを取り出す研究が進んでいます。蒸し焼きでバイオマスを不完全燃焼させると、完全にCO2にならずにH2とCOという中間の段階でとどまります。それらを取り出せれば、水素ガスの材料にもなり、そのままでは有害なCOも化学原料として活用でき、H2と一緒に燃やせば発電も可能です。ただし、バイオマスを不完全燃焼させると、タールが発生して設備に付着や詰まりを起こすトラブルが発生します。

いかに日本の処理システムにフィットさせるか

 そこで、触媒を使ってバイオマスをガス化して改質し、また別の触媒を用いて生成ガスを組成変換して、得られるガスを利用しながら将来的にはCOやCH4(メタン)などを効率よく得て、高付加価値ガス利用を創出する多段階プロセスの開発研究が行われています。
 この方法だと、発電に加えバイオマスをガス化するプロセスから得られたガスを各種分野に供給することもでき、小規模な施設立地でも成り立つ可能性があります。CO2をはじめとする温室効果ガス対策にも役立つバイオマス有効活用を、いかに日本の廃棄物処理システムにフィットさせるかが今後の課題です。

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この学問が向いているかも 環境理工学、環境汚染防止工学、環境化学


環境理工学部 環境デザイン工学科 教授
川本 克也

先生の著書
メッセージ

 環境という分野は範囲がとても広く、公害、自動車、ごみ処理など、10人いれば10人ともイメージする領域が違うと思います。環境を研究する学問分野も理系・文系問わず多岐にわたり、さまざまな角度からのアプローチがされています。
 環境理工学部は、土木工学、環境工学、化学、数学など、環境問題の解決に欠かせない学問分野が集合したユニークな学部で、文理融合の側面もあります。環境や自然に興味を持っている人、人間と環境といったキーワードに興味を持っている人に門をたたいてほしいと思っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

環境プラントメーカー設計・技術開発/官公庁下水道

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