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東北文化学園大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 言語聴覚士、
  • 言葉、
  • 脳、
  • 障がい、
  • 心理、
  • リハビリテーション

言葉の意味を理解する脳の働きを研究して、障がい者支援につなげる

言葉はイメージと結びついている

 「りんご」という言葉を聞くと赤くて丸いりんごのイメージが浮かぶと思います。このように頭の中(言いかえれば心や脳の中)で言葉が感覚的なイメージと結びついていることは意味の理解にとって重要です。例えば「りんご」と聞いても頭の中で「赤い色」「丸い形」「食べたときの味や触感」などへの連想が働かずそれらのイメージが浮かばなければ、「りんごって何?」ということになるかもしれません。

言葉の意味を理解する脳の働き

 脳科学や心理学の研究によって言葉の意味を理解するときの脳の働きが調べられています。「イヌ」と聞いたら4本足の動物の視覚的なイメージを思い浮かべるでしょうか? それとも「ワン」という聴覚的な鳴き声でしょうか?
 単語によっては視覚、聴覚、触覚、嗅覚など、どの感覚と関連が強いかの判断が異なります。また動作と関連が強いと判断される単語もあります。このような感覚や運動との関連の強さに応じて、単語を理解しているときに活動する脳領域が異なることがわかってきています。例えば聴覚に関連が強い単語の理解では聴覚に関連した脳領域の活動が上昇します。また動作に関連が強い単語の理解では運動に関連した脳領域の活動が上昇します。このような実験結果からも、意味理解における言葉と感覚・運動イメージとの結びつきの重要性が示されています。

言語機能の障がいの理解につなげる

 「言語聴覚士(ST)」は言葉によるコミュニケーションに問題を抱える人を支援する専門職です。支援する対象は言葉の発達の遅れ、聴覚障がい、発音の障がいなど多岐にわたります。脳卒中後の失語症など言語機能に問題がある人への支援もそのひとつです。
 これまでの研究で、脳の損傷領域と言葉の意味理解の低下との関係についてもいろいろなことがわかってきました。言語機能を支える脳の働きを研究して、その成果をリハビリテーションの現場に生かすことも期待されます。

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この学問が向いているかも 言語聴覚障がい学、心理学


医療福祉学部 リハビリテーション学科 言語聴覚学専攻 准教授
柴田 寛

メッセージ

 「言語聴覚士」はスピーチや聞こえ、コミュニケーション、摂食・嚥下(えんげ)などに障がいのある人を支援する専門職です。そこでは心理学を含む幅広い知識が必要とされます。障がいのある人の症状を正しく理解するためには、障がいのない人の認知や言葉の発達などにおける心の働きを知っておく必要もあります。
 言語聴覚士になるための勉強は大変ですが、東北文化学園大学では少人数で、段階を追って指導していきます。それらを積み重ねていけば、きっと大きな成果が得られるはずです。あなたの夢に向かって一緒にがんばりましょう。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から「人は何を考えて行動しているんだろう?」と想像したり、動物を見ながら「どうしてこんなふうに動くんだろう?」と考えることが好きで、「心理学はおもしろそうな学問だな」と思ったことが、現在の研究の道に進んだきっかけでした。
 大学に進学し、心理学を学び、環境が動物に与える「意味」について考える「アフォーダンス」という理論に出会った興味は、大学院へ進み「脳」にも広がって行きました。心理学を深く学ぶために脳の働きについてもしっかり理解しておく必要があると考えたのです。

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