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講義No.08633

精神疾患の患者さんを支える「精神看護学」

後れている日本の精神疾患の地域医療

 「精神看護学」とは、うつ病などの精神疾患によって、生活に支障をきたす人をサポートする看護の一分野です。患者さんへのサポートが必要なのは入院している間だけではありません。退院後のケアがとても大切ですが、地域に戻ってから誰がサポートしていくのか、という問題があります。日本でも地域に戻った患者さんと関わり合うデイサービスのようなサポートも増えてきており、連携を深めていくことも大切です。投薬についても日本国内ではまだ賛否がありますが、向精神薬も進化していて、副作用が少なく安心して使用できるものも増えています。しかし、その判断も病院によってさまざまです。昔から入院期間が短かった欧州諸国に比べて、精神疾患の地域医療で日本は後れを取っているのです。

患者さんをサポートすることの難しさ

 精神看護学は、患者さんが快適に過ごせる環境づくりをサポートしていく分野でもあります。部屋の明るさや温度を、その人に合った状態にすることも、サポートの範囲となります。
 手術など外科的なことは医療分野で決定することが多いですが、看護分野は言葉をかけるタイミング一つで、患者さんの状態も変わってくる難しさもあります。

看護師自身の成長も求められる

 例えば、仕事を頑張りすぎてうつ病を発症した場合、「そうなる前に、その状況から抜け出せればよかったのに」というのは早計です。各個人で発症に至るストレスのしきい値(最小値)が違うので、見極めるのが難しいからです。その人の感じているストレスの状況を的確に知ることが重要なのです。患者さんの状況を理解できるようになれば、信頼関係を築くことができます。
 患者さんの心を癒やすには、長い時間がかかりますし、ケースバイケースで正解は一つだけとは限りません。精神疾患の患者さんをサポートする精神看護学は、とてもやりがいがあり、看護師自身の成長が常に求められる分野でもあるのです。

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この学問が向いているかも 精神看護学

宇部フロンティア大学
人間健康学部 看護学科 教授
佐藤 美幸 先生

メッセージ

 近年、「精神看護学」の分野は飛躍的な発展を遂げており、精神疾患の患者さんが日常生活に戻れる場面が増えています。どのようなメカニズムで心の病気になるのかについて、昔よりも解き明かされる部分が増えているからです。
 精神疾患の患者さんが不安になるような場面に出くわしたとき、看護師はその不安を取り除くための環境づくりをしながら、患者さんや病気に対する理解を深めていくことによって、患者さんの心の平穏をサポートしていきます。そんな素晴らしい学問である精神看護学を一緒に学んでみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 「精神看護学」という、統合失調症などの心の病の看護に関する研究をしてきました。看護の世界に入ってから、一度は救急看護の分野を選んだこともありましたが、誰もがかかる可能性のある精神疾患の看護の分野に戻ったのです。
 精神疾患は、ストレスがきっかけとなって病にかかってしまう可能性もあり、患者さんの様子を把握しながら、声かけひとつで症状が良くなっていく場面もあります。また、健常者が心の病気や精神疾患の患者さんへの理解を深めることで、患者さんの生きやすい環境が広がっていくことにつながります。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

看護師/保健師/養護教諭

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佐藤 美幸 先生がいらっしゃる
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 宇部フロンティア大学は明治36年創立の伝統を誇る学校法人香川学園が母体で現在、幼稚園、中学校、高等学校、短期大学部、大学、大学院、大学院附属臨床心理相談センター、大学附属文京クリニックおよび宇部環境技術センターからなり、山口県の教育・研究の一大拠点として地域への人材供給を含む地域貢献に取り組んでいます。大学では、学園の創始者(香川昌子)の教育精神である「人間性の涵養と実学重視」を建学の精神とし、「あなたらしさを仕事力に」というキャッチコピーを掲げて、一人ひとりの個性を重視した教育を行っています。

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