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神戸大学 理学部の教員によるミニ講義

関心ワード
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  • 地球、
  • 世界遺産、
  • プレート

「富士は日本一の山」になった理由を解き明かす

なぜ富士山は巨大になったのか?

 日本の最高峰である世界遺産の富士山は、とてつもなく壮大で美しい姿をしています。ここ三百年ほどは噴火していませんが、バリバリの活火山です。誕生してから10万年と、地球の成り立ちを考えると若いのですが、その間に4つの火山が積み重なりました。体積は550立方kmあり、陸上の成層火山体としては日本最大です。大きな火山体はマグマの大きな噴出量と噴出率で作られますが、短期間でこれほど大きくなったのは、富士山が属している「火山列」と「マグマ溜まりの深さ」のおかげと考えられます。

火山列によって火山の大きさが違う理由

 日本列島の地下には太平洋プレートとフィリピン海プレートが沈み込んでおり、プレートから供給される水がマントルの融解温度を下げてマグマをどんどん生成し、日本を有数の火山国にしています。北海道から東北・関東を結ぶ「東北日本」の列は世界有数の火山密集域ですが、火山はどれも小ぶりです。一方、富士山が属する「伊豆・小笠原・マリアナ」列(各英語表記の頭文字をとってIBMと呼ぶ)の火山は圧倒的に大きいのです。マグマの発生量は同じくらいのはずなのに、IBMの火山が大量のマグマを噴出するのは、マグマ溜まりが東北日本に比べて浅いからだという仮説があります。

マグマを知れば地球の歴史が見えてくる

 地球内部で発生したマグマは上昇し、止まった場所でマグマ溜まりとなり徐々に冷えて結晶化します。マグマ溜まりが浅いほど、圧力の関係で結晶化が進む前の液体のマグマが発泡しやすく、大量のマグマが噴出して巨大火山ができるとみられています。地殻の密度を推定する方法でどこまでマグマが上昇するか算出すると、IBMでは深さ5km弱まで達するのに対して、東北日本ではその約3倍の深さまででとどまることがわかったのです。
 マグマを研究すれば雄大な富士山を育んだ地球の歴史がわかります。若くて現役の活火山・富士山は、近い将来再びマグマを噴き上げ、いっそう大きく成長する可能性を秘めています。

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この学問が向いているかも 火山学、惑星学


理学部 惑星学科 教授
巽 好幸

メッセージ

 地球は太陽系でただ1つの水惑星であり、生命あふれる星です。どうして地球はこのような姿になったのでしょう。地球が遠大な時間を生きてきた証である火山やマグマを調べると、この星が歩んできた46億年の歴史を垣間見ることができます。しかし地球を囲む宇宙やほかの惑星のことも知らなければ、地球というものの本質には到達できません。惑星学は「なぜこの星は地球なのか?」という問いに答えを出すため、壮大なスケールと時間に挑む研究を行っています。豊かな感性を備えた「惑星人」をめざし、一緒に学んでみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の時、図鑑で見た地球内部の絵図に「地球の中がこんなに単純なはずがない!」と違和感を持ったのが今の道につながっているかもしれません。
 でも高校の頃は部活のバスケットに夢中で、大学進学時に理学部と体育学部とで迷いましたが、面白いことができそうな理学部に魅力を感じて進みました。そこで幼い時に心にひっかかっていた火山に興味を持ち、地球科学を学び、地球の中身を調べることで46億年の時の流れを解明する面白さに出会いました。

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