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講義No.08530

同じ炭素なのに、ダイヤモンドは硬く、鉛筆の芯が軟らかいのはなぜ?

ダイヤモンドと鉛筆の芯はどこが違う?

 宝石のダイヤモンドと鉛筆の芯(グラファイト)は、どちらも同じ炭素原子だけでできています。しかし、ダイヤモンドは鉱物の中で一番硬く、グラファイトは一番軟らかです。この違いはどうして生じるのでしょう?
 それは原子の配列や構造に違いがあるからです。ダイヤモンドは、1つの原子が必ず周りの4つの原子と「共有結合」で強く結びついています。一方のグラファイトは、横の結びつきはダイヤモンドより強い「共有結合」ですが、縦の結びつきは「分子間力」という弱い結びつきなので、力を加えるとシート状に離れてしまうのです。鉛筆で紙に芯を押しつけると、文字が書けるのはこの性質のためです。

波長が違えば、物質は見えない?

 物質の性質を知るためには、原子の配列や電子の分布の様子を調べることが手がかりになります。でも、原子は1億分の1cm程度の大きさなので、光を使った光学顕微鏡で見ることができません。なぜなら光の波長より原子のほうが小さいからです。波長とは、波が1回振動した時に移動する長さのことで、波には自分の波長より短いものを素通りする性質があるので、原子の数千倍の長さを持つ波長の光では、原子を見ることができないのです。そこで原子と同じくらいに波長が短いX線を活用して、結晶などの物質の構造を調べる研究が進んでいます。

X線で原子の配列と性質を調べる

 X線を、調べたい物質にいろいろな方向から照射すると、波特有の現象が現れます。例えば、海の防波堤を思い浮かべてみてください。波が狭い箇所を通過すると、その後に波が大きく広がったり、隣の狭い箇所から広がった波と重なったりします。それが波の「回折」と「干渉」です。これらの現象を利用して原子の配列や電子の分布が測定できるというわけです。
 物質の構造がわかれば、硬さ、電気の流れやすさや貯めやすさなどの性質である「物性」の理由を知ることができます。物性の理由のデータが蓄積されれば、そこから類推して、新しい化合物をつくることも決して夢ではないのです。

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ダイヤと炭、その違いは? 炭素の秘密に迫る

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ダイヤモンドと鉛筆の芯は同じ物質?

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炭素原子の多彩な構造

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X線で構造解析

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この学問が向いているかも X線結晶学、物理学

静岡理工科大学
理工学部 物質生命科学科 教授
笠谷 祐史 先生

メッセージ

 私の専門は、「X線結晶学」です。X線を使って、その物質の原子がどういう配列をして電子がどういう分布をしているかを調べることで、物質の性質がわかり、さまざまな分野に生かすことができます。
 自然科学の研究は、自然の中に答えがあります。また、いろいろな現象の中から、最も基本になっている法則を見つけ出すという楽しさがあります。あなたがもし自然科学に興味があるなら、ぜひ自分がやりたいと思っている分野に進んでください。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃、原っぱや田んぼで遊ぶことが好きでした。まわりの自然を見て「なぜ」「どうして」と不思議に思っていました。
 学校では、数学や理科が好きでした。高校生の時に、湯川秀樹博士や朝永振一郎博士がノーベル物理学賞を受賞した素粒子について詳しく知りたいと思い、大学の物理学科を選択しました。
 ところが大学で、物質の最小単位である原子を中心に物質の構造や性質を調べる分野に興味がわきました。「その物質の性質がどうして起こるのか?」という「なぜ」がわかる、その面白さにひかれ、そのまま研究の道に進みました。

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笠谷 祐史 先生がいらっしゃる
静岡理工科大学に関心を持ったら

 静岡理工科大学は静岡県西部の袋井市にある、理工学部(機械工学科・電気電子工学科・物質生命科学科)と総合情報学部(コンピュータシステム学科・人間情報デザイン学科)をもつ理工系・情報系の大学です。本学のある遠州地方には、「やらまいか」という言葉があります。モノづくりの精神を語る上で欠かせない言葉です。「やってみようじゃないか」という意味ですが、そこには「負けてたまるか」というような、反骨心がたっぷり含まれています。この地、この場所で学び、やらまいかスピリットを日本中に、世界中に広げていきましょう。

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