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福岡大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 精神科医、
  • 災害、
  • 国家資格、
  • 公認心理師、
  • 精神障がい、
  • 臨床心理士、
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心の健康を支援する「公認心理師」の役割

心理的な支援の必要性

 生涯に一度でもうつ病やパニック障害、外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神障害を発症する人は、国民の約25%と推計されます。ところが、精神科医などの医療者に相談できる人は、そのうち4分の1程度と言われています。また、日本は災害大国です。大規模災害の後には、落ち込みや不眠などを経験するのが一般的ですが、問題の慢性化に苦しむ人も少なくありません。苦悩する人たちのなかには、自ら命を絶つ人もいるため、心理的な支援の必要性が広く認識されるようになりました。

「公認心理師」誕生で何が変わる?

 そこで国は、国民が安心して心理的な支援を受けられるようにするために、法整備を進めました。その結果、2017年に公認心理師法が施行され、心理専門職初の国家資格「公認心理師」が制定されることになったのです。これまでの心理専門職は、臨床心理士などの民間資格の保持者が主でした。国家資格の制定によって、心理専門職の質が担保されるため、学校や病院、企業など、支援の場も広がることが考えられます。また、身分や待遇が保証されやすくなるので、心理専門職の数が増えることも予想されます。心の問題に苦しんでいた人たちも、今後は、心理的な支援を受けやすくなるでしょう。

公認心理師の役割

 公認心理師に期待されるのは、苦悩する人たちへの心理的な支援です。そのためには、悩みを持つ人たちと出会い、効果的な支援を行う必要があります。例えば近年、インターネットを介した遠隔支援が注目を集めています。相談の場が自由に設定できるので、必要なときに必要な人たちへ必要な支援を行うことができます。また、精神障害の予防に効果的な認知行動療法も広まりつつあります。苦悩の成り立ちを学んだ上で、現在の考え方や振る舞い、体調を健康的な状態に整える方法です。公認心理師は、社会情勢や研究の進展に応じて、専門的な知識や技能の向上に努めなければなりません。今後の日本社会において、公認心理師が果たす役割は大きいと期待されています。

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この学問が向いているかも 臨床心理学


人文学部 教育・臨床心理学科 准教授
長江 信和

先生の著書
メッセージ

 「心理学に関心はあるけれども、仕事として考えると自信が持てない」という人は多いかもしれません。趣味と仕事は違いますね。趣味は自己満足で済みますが、仕事は他者を満足させる必要があります。自己の理解や問題の解決にも役立つ心理学ですが、仕事に生かすためには、他者と出会い、他者の問題と向き合わなくてはなりません。大学で心理学を学べば、自己理解から他者理解、多様性の理解へと、あなたの視野が大きく広がるかもしれません。心理学をツールとして、ぜひご自分の可能性を探究してもらいたいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 大学1年の頃、アジア放浪の旅に出かけました。ネパールの山村を訪れた時、粗末な石造りの家に暮らす貧しい人々と出会いました。白い歯を見せて笑う子どもに「今の生活は幸せ?」「欲しいものはない?」と尋ねると、「ここにいることが幸せ」「欲しいものは何もない」という答えが返ってきました。大人も穏やかな笑顔で、毎日楽しく暮らしていました。「心の持ちようや世界の見方で幸福感が左右される」ということを知った体験でした。
 そして、「心理学の方法を使えば、人は幸せになれるのではないか」と考え、心理学の道に進みました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院カウンセラー/中学校スクールカウンセラー/病院ソーシャルワーカー/放課後等デイサービス職員/矯正施設法務教官/地方自治体職員/NPO法人職員/情報通信業SE/小売業営業

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