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福岡大学の教員によるミニ講義

関心ワード
  • DNA、
  • 染色体、
  • 遺伝子、
  • 細胞、
  • 分化、
  • ホルモン、
  • 性別、
  • X染色体、
  • Y染色体、

オスかメスかは何によって決まるのか?

性別を決める性染色体と遺伝子

 哺乳類の雌雄は、受精卵の性染色体の型で決まります。X染色体が対の場合は雌に、X染色体とY染色体の場合は雄になります。そして実際に分化を進行させるのは、遺伝子発現です。遺伝子発現とは、個体の設計図のDNAをもとにタンパク質を製造する過程のことです。
 雌雄に応じた器官を作りますが、すべての細胞は同じDNAを持っているので、発現する遺伝子が同じだとすべてが同じ器官になってしまいます。そこで、発現する遺伝子を制御してそれぞれの器官を作る必要があります。その役割を担うのが、「プロモーター」とよばれるDNAの一部です。

SRY遺伝子が発現しないと雄にならない

 ヒトを含む多くの哺乳動物において性分化のキーとなるのは、Y染色体が持っている「SRY遺伝子」です。これが発現すると分化は雄の方向に進み、生殖腺は精巣に分化します。ある段階で精巣からホルモンが分泌されて雄型の外部生殖器が作られます。ホルモンとは、特定の細胞に作用を伝えるメッセージのようなものです。この場合、血液を通じて外部生殖器を作れというメッセージが伝えられるのです。
 雄の染色体なのに、何らかの理由でSRY遺伝子が発現しないと、外見が雌になることがあります。一方、X染色体しかない雌はSRY遺伝子が発現せず、分化は自動的に雌の方向に進み、生殖腺が卵巣に分化して、外部生殖器は雌型になります。

性行動を左右するのは脳の性ホルモン

 このように、性分化は遺伝子と性ホルモンが共同で働きながら進行します。しかし、生殖器の完成で終わりではありません。雌雄には、それぞれ特有の性行動があります。これを決定するのは脳です。脳で作られるホルモンのシグナルでそれぞれの性行動を行います。
 女性の生理も脳のホルモンが契機となっています。ホルモンを作るのは酵素です。酵素は体内の有機物の変換を担当します。酵素も遺伝子が発現して作られますが、どのような種類の酵素をいつ、どの程度作るかということは、ホルモン分泌制御の方法のひとつなのです。

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この学問が向いているかも 生化学


薬学部  教授
本田 伸一郎

メッセージ

 薬学部の研究範囲は非常に広く、大きく分けると化学系、物理系、生物系の3つの分野があります。私の専門は生物系で、その中でも生化学という学問です。
 薬の効力を知って有効に活用するためには、体内で起こる化学変化の仕組みと意味を正しく理解することが重要です。生化学とは、DNAやタンパク質のような肉眼で見えない分子が、どのようなメカニズムで正常な生命活動、あるいは「がん」のような病気に関係するのかを調べる学問です。分子レベルでの生命現象の解明に興味を持っている意欲的なあなたを待っています。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代、化学は好きでしたが、生物はあまり興味を持てませんでした。化学は理論的に説明ができて、曖昧な部分がないところに魅力を感じていました。それに対して、当時の生物学は、現象を記述するだけで、なぜそうなるのかという説明がありません。ところが、大学に入って「生化学」という学問に出会いました。生物を分子レベルで説明できることを知って、生物に対する興味がわいてきました。また、遺伝子工学の発達で、遺伝子レベルで化学的な検証ができるようになり、生物の神秘を化学的に知りたいと思うようになったのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学教員/病院薬剤師/薬局薬剤師

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