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講義No.08186

数理科学で「都市」の未来や暮らしをデザインするって?

「都市」のあり方を考える

 「都市」と聞くと、東京や大阪を連想する人が多いと思いますが、「都市=大都会」ではありません。都市とは「人が集まるところ」という意味を持っていて、現在の日本では約4割の人が人口30万以下の「地方都市」に住んでいます。こうした小規模な街も含め、そのあり方を考えるのが「都市計画学」と呼ばれる学問分野です。
 都市計画で扱うテーマとして、例えば食料の問題があります。既存の商店の廃業などにより、生鮮食料品の入手が困難になっている地域があるのです。そこは「フードデザート(食の砂漠)」と呼ばれ、車で移動できない高齢者が増えるにつれて大きな問題となっています。「まち」が抱えるこのような課題に対し、施設の立地や人口分布、交通システムなどの分析を通じて改善策を見つけ出すのも都市計画学の研究の目的です。

「ゲーム理論」で、人々の行動を予測する

 都市計画には、施設の整備だけでなくルールの策定なども含まれます。例えば、ごみの分別について考えてみましょう。ごみを出す人の立場になってみると、分別は面倒で自分にメリットはありません。論理的に考えると、誰も分別に参加しないはずです。しかし多くの人は、一定数を超える人が分別を行い、それが有効に機能しているのなら協力しようと考えます。その「行動を変えるレベル(行動転換点)」を明らかにして、そこを超えさせる方法を見つけることが必要です。このように、人の考えや意思決定を数理的に分析する手法を「ゲーム理論」と呼びます。

都市計画学のアイデアに数学・経済学理論をプラス

 都市計画を考える上では、土木計画学、地域科学や社会学のアイデアのほかに、数学・経済学理論も取り入れて方策を検討することが求められます。多様なデータが大量に蓄積されている現在では、数理的な処理によってデータを分析し、診断することがますます重要になっています。都市計画学は、さまざまな分野の知識を駆使して都市の未来を見据え、人々の生活の質を上げていくための学問なのです。

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この学問が向いているかも 都市計画学、地域計画学、土木計画学

鳥取大学
工学部 社会システム土木系学科 教授
福山 敬 先生

メッセージ

 私が専門としている「都市計画」の分野は、地域の生活に変化をもたらし、地域の未来を形づくるものです。私たちの研究が、そんな大きな責任の一翼を担っていることを誇りに思っています。
 また、日本で当たり前だとされている単一的な価値観の窮屈さを感じながら育った私は、カナダの大学院に進学して大きなショックと感銘を受けました。カナダには移民の人たちが大勢いて、日本とは違う多様な価値観の存在が認められていることを実感できたのです。あなたもぜひ海外へ、特にマルチカルチャーの国へ出かけてみてください。

先生の学問へのきっかけ

 もともと数学が好きで、一つの公式を覚えればいくつもの問題を解けるといった点に面白さを感じていました。そこで、工学部なら興味のある分野を学べると考えて、大学の進路を決定したのです。そして、大学時代の2人の教授との出会いが、私を現在の研究へと導いてくれました。
 1人の教授からは、「ゲーム理論」を使って人の意思決定を数理的に分析することの面白さを学びました。もう1人は土木計画の分野に経済学を取り入れた第一人者で、その研究の斬新さに感動したのを覚えています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁(都市計画、道路計画、一般行政職)/建設コンサルタント(都市計画、まちづくり、地域計画)

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福山 敬 先生がいらっしゃる
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 鳥取大学は、教育研究の理念に「知と実践の融合」を掲げ、高等教育の中核としての大学の役割である、人格形成、能力開発、知識の伝授、知的生産活動、文明・文化の継承と発展等に関する学問を教育・研究し、知識のみに偏重することなく、実践できる能力をつけるように努力しています。また、研究・教育拠点、幅広い専門的職業人の養成、地域の生涯学習機会の拠点、社会貢献機能など個性輝く大学を目ざし、地方大学にこそ求められるオンリーワンの研究開発を行い、社会に貢献し、国際的競争力を確保できる大学運営を目ざしています。

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