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講義No.08185

「人口減少」「高齢化」の社会を支えるシステムをつくるために

人が少なくても持続可能なシステムをつくる

 近年、地方都市において人口減少や高齢化が大きな問題となっています。地方のこの変化は、わが国全体の未来を先取りしているとも言えます。その現実にどう「適応」していくのか、人が少ないなら少ないなりのコミュニティ運営を考えなければなりません。
 具体的に挙げるなら、公共交通の例がわかりやすいでしょう。路線バスでは利用者がどんどん減少し、高齢化しています。「少ない予算で路線や便数をどう効率化していくか」「効率と利便性をどう両立させるのか」など、人口減少社会での課題解決に向けた研究が行われています。

「便利さ」を数値化して考える

 予算を優先させるあまりに「便利さ」を犠牲にすれば、誰も利用しないシステムになってしまいます。しかし、「便利さ」のとらえ方は人によってさまざまです。そこで「便利さ」を数値化して計測する方法があります。ただ、「便利さ」を直接測ることはできません。そのため、例えば買い物をテーマとする場合、店までの距離や品揃えなどを指標として調査を行います。その結果、高齢者にとっては品揃えが豊かであるよりも距離が近い方が圧倒的に便利に感じられるという事実が数値となって表れるのです。数値化には確率や統計、最適化といった数学の手法を使用します。理系の知識が必要となる研究ですが、人の生活や社会経済を対象にする点ではフィールドワークなど文系的な要素も不可欠で、文理融合の分野です。

地域社会に貢献する「社会システム工学」

 研究は、実際の地域と関わり合いながら、現場主義で行います。コンピュータ上でのシミュレーションにとどまらず、例えば、ある街の路線バスの運用を実際に設計します。地域の人や自治体の人と話し合いながら検討を重ね、その研究成果が実社会に適用されるのです。「社会システム工学」は、調査・研究を通じて地域社会に貢献できていると実感できる、大きなやりがいのある学問分野なのです。

人口減少社会に適した生活サービスの計画

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未来の無人運転システムへの期待

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この学問が向いているかも 社会システム工学

鳥取大学
工学部 社会システム土木系学科 教授
谷本 圭志 先生

先生の著書
メッセージ

 理系だけど社会や経済、心理学にも興味があるという人に、「社会システム工学」という分野はぴったりです。地域社会と関わりながら数学的なアプローチで課題解決を図る点が大きな強みで、地域の人々への説得力につながります。
 自治体などからの依頼で、学生が高齢者や観光客にアンケート調査をすることもあります。学生自身がそれをまとめて報告会でプレゼンするなど、実地での経験を通して大きく成長しています。自治体との共同研究を卒業論文にしている学生も多く、社会から求められる人材へと育っています。

先生の学問へのきっかけ

 高校まで札幌市に住んでいましたが、とても住みやすい街でした。「街の住みやすさ、住みにくさとは何だろう?」、それを解明してみたいと思ったことが、現在の研究につながっています。
 現在住んでいる鳥取県は、全国で一番人口の少ない県です。ここは日本の将来の問題を先取りしている場所で、ここに身を置き、地域の問題を肌で感じながら研究することは、とても意義のあることです。解決すべき問題はたくさんあり、それは日本の将来へ直結する課題でもあります。問題を科学的に解明し、新たな解決策を示していきたいと思っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁都市計画/コンサルタント地域計画/システムエンジニア

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谷本 圭志 先生がいらっしゃる
鳥取大学に関心を持ったら

 鳥取大学は、教育研究の理念に「知と実践の融合」を掲げ、高等教育の中核としての大学の役割である、人格形成、能力開発、知識の伝授、知的生産活動、文明・文化の継承と発展等に関する学問を教育・研究し、知識のみに偏重することなく、実践できる能力をつけるように努力しています。また、研究・教育拠点、幅広い専門的職業人の養成、地域の生涯学習機会の拠点、社会貢献機能など個性輝く大学を目ざし、地方大学にこそ求められるオンリーワンの研究開発を行い、社会に貢献し、国際的競争力を確保できる大学運営を目ざしています。

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