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鳥取大学 工学部の教員によるミニ講義

関心ワード
  • キノコ・きのこ、
  • 発酵、
  • 酵母、
  • ゴミ、
  • におい・香り、
  • 牛乳

キノコの未知なる能力を探れ!

フルーティーな香りを放つキノコ

 野菜売り場で見かけるキノコですが、実は酵母やカビと同じ菌類です。利用価値は食用くらいだと思う人も多いでしょう。しかし、キノコにはさまざまな隠れた能力が発見されています。
 例えば、マツタケやシイタケをはじめキノコには“キノコらしい”ニオイがありますが、中には花や果物、お菓子のような甘い香りを放つものもあるのです。なぜキノコがこのような香りを出すのか詳細は解明されていませんが、植物と同様にニオイで虫や動物を誘引し、胞子を運んでもらうためだと考えられています。

生ゴミからでもエタノール燃料を作るキノコ

 一部のキノコには「発酵」の力があることも明らかになっています。発酵といえば、酵母を使ったアルコール発酵が広く知られています。しかしキノコは、酵母が原料として利用できない糖類をアルコール発酵させ、エタノールに変換できるのです。この能力を活用すれば、生ゴミからも効率よくエタノールを生成できることがわかっています。しかも、この能力を持つのは特別なキノコではなく、街の公園にも生えているありふれたキノコです。身近にあふれる生ゴミとキノコからエタノールを生成するのは、環境にも優しい安心・安全な技術です。生ゴミを燃料に車が走る、そんな技術の実現もそう遠くないかもしれません。

牛乳を発酵させ機能性物質を生み出すキノコ

 キノコの発酵能を研究する過程で、牛乳を原料とした試験も行われました。すると、その発酵乳には血圧上昇を抑える物質が含まれていることが見つかりました。この発見をもとに、人の健康維持に有効な機能性物質の開発が進められています。この物質の生成には、消費期限を過ぎた牛乳も使用できます。不要なものから、人に役立つ価値の高いものを生み出すことができるのです。このようにキノコが持つ可能性の探索・活用は、今後もますます進んでいくと期待されています。

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この学問が向いているかも 応用微生物学


工学部 化学バイオ系学科 教授
岡本 賢治

メッセージ

 学問は旅行、収集、ファッションなど趣味と似た面もあります。自分のお目当てをあちこち探し回るのは楽しいし、お気に入りが見つかれば、それに合うアイテムを探してアレンジするのも面白く、思いがけず新しい発見に出会えるかもしれません。遊び心を持って学問を楽しんでください。
 先入観を捨てて、興味のあることにトライしましょう。研究は思い描いたように進まないことも多いですが、あきらめずに続けていると、突然何かが見えてくる瞬間があります。そのワクワク感を一度知ってしまうと、また新たなものを探してみたくなるのです。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から、あちこち探検して生き物を観察するのが大好きでした。大学入学後は興味の対象が微生物に移り、卒業後はひょんなことからキノコを扱う研究に携わることになったのです。キノコには未知の部分が多く、その奥深さにひかれていきました。
 「人とは違うことに挑戦したい」と思い、現在はキノコに潜在する能力を探索し、ものづくりに応用するという研究に取り組んでいます。キノコにも人と同じようにそれぞれ個性があって、付き合いが深まるごとにいろいろな表情を見せてくれるので、日々新鮮な出会いを楽しんでいます。

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