夢ナビWebセレクション

鳥取大学 農学部の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 農業、
  • 農家、
  • 農業機械、
  • 米、
  • センサー、
  • 高齢化、
  • ビッグデータ

農家の危機を救え! 「スマート農業」が救世主となる!

高齢化が進む農家

 日本では年々、農家の数が減少しています。主な理由は、農家の高齢化です。農家が手放した農地を、地域の担い手が引き継いで耕作しているところが多く、一戸あたりの耕作面積が増加しながらも農村環境を維持しています。人手が少ない上に、一戸あたりの面積が増えているので、農家の負荷はさらに重くなってきています。そのような状況の中、「スマート農業」という試みが注目されています。

農業機械でデータを収集

 スマート農業では、農業機械に装着したセンサーでデータを集め、農家の培ったノウハウをデータベース化することで農作業を効率化できるシステムを構築します。センサーで農作物に適した土壌の深さを感知したり、土の栄養分である肥沃度(ひよくど)を測ったりすることもできます。土地がどれくらい肥えているかが数値で見えれば、肥料をどの程度投入すべきかどうか、判断がしやすくなるのです。
 例えば、稲は田んぼの土壌の深さによって生育が変わります。深いほどよく育ちますが、稲の背が高くなりすぎると倒れてしまい、商品になる米がとれないこともあります。また、これまでは経験をもとに、農家の人が肥料の量を調整していましたが、バラつきがあり、必ずしも質のよい米ができるとは限りませんでした。特にほかの人から引き継いだ土地の場合、まったくの手探りでしたが、スマート農業によって、初めて耕作する土地でも土壌の深さや肥料の量などを調節することが可能になり、失敗が少なくなります。

農業分野の「ビッグデータ」の活用も

 作業中の数値を、秒刻みで収集することもできるので、詳しいデータの蓄積が可能です。データを使うと計画的に農業ができますし、コストも計算しやすくなります。さらに、このようなデータを広範囲で集約すれば、農業分野の「ビッグデータ」をノウハウとして人工知能で学習することで、よりきめ細やかな農家へのサポートが期待できます。スマート農業は、国内生産の維持、拡大につながるだけでなく、日本の農業がもっと元気になる可能性を秘めているのです。

1.0倍速 1.4倍速

アイコン

講義を視聴する(1分)

アイコン

講義を視聴する(1分 その2)

アイコン

講義を視聴する(1分 その3)

アイコン

講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 農業情報工学、農業機械学


農学部 生命環境農学科 植物菌類生産科学コース 准教授
森本 英嗣

メッセージ

 私の研究室では、減少傾向にある日本の農業生産者の中で、頑張ろうと思っている農家のための農業情報技術の研究開発を行っています。企業や国・地域の研究機関、農家とタッグを組んで、「スマート農業」という新しい研究分野を模索し、具現化しようとしているのです。
 人工知能やIoTを駆使した農業機械を開発することで農家の経験やノウハウをデータベース化し、農業現場において情報のキャッチボールをすることで、大切な農家をアシストしたいと考えています。ぜひ一緒に研究しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 農業関係への進路を決めたのは、高校1年生の時です。地理の授業で食料自給率が4割を切っていることを知り、「輸出してくれる国がなくなれば、飢えてしまう」という危機感を持ったことがきっかけでした。
 大学入学後は農家でアルバイトも経験し、機械がなければ農業は成り立たないということを知り、大学3年生で農業機械の研究室へ入りました。「農家の人たちに直接使ってもらえる技術の開発に携われたらいいな」と思ったからです。現在は農家、農業機械メーカーや農林水産省と協力しながら、農業情報工学の研究を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

国家公務員研究者/地方公務員行政/農業機械メーカ技術者 など

TOPへもどる

夢ナビロゴ

夢ナビ編集部copyright(c) 2008- Frompage Co.,Ltd. All Rights Reserved.