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講義No.08023

医療・福祉分野に広がる「メカトロニクス」の技術

意外に重要だった「足首」の動き

 歩く時、足首の関節は重要な役割を果たします。足首が滑らかに動かないと、かかとから着地し、次に足裏全体が着地し体重を乗せ、つま先側で地面を蹴って前方に進むという動きが困難になるのです。
 脳卒中の後遺症などで半身が麻痺すると、足を持ち上げることはできても、関節がうまく動かないケースが少なくありません。そこで、リハビリテーションや生活支援のため、メカトロニクス技術を応用した「支援ロボット」の研究が進んでいます。瞬時な力制御ができて、故障時の危険性も低いことで注目されているのが、「磁気粘性流体(MR流体)」と「MR流体ブレーキ」を活用した下肢支援ロボットです。

歩く速度などに応じてブレーキを制御

 「MR流体」とは、オイルの中に金属の粒子を混ぜて、磁力によって特性が変化するようにした素材です。これを回転盤と固定盤との間に封入し、電磁石で回転盤の動きを制御する装置が「MR流体ブレーキ」です。
 この装置と、角度センサーや加速度センサーなどとを組み合わせ、足首関節の動きをサポートするのが下肢支援ロボットの構造です。かかとが着地する瞬間は回転盤の動きをストップさせ、そこから足裏が着地するまでは緩やかに回転し、つま先で地面を蹴る時には再び回転盤を固定して、足首の関節の動きを再現するわけです。

微妙な抵抗感をバーチャルで再現

 MR流体ブレーキは、MR流体に混ぜる粒子やディスク形状を変えることで、動きの滑らかさや固定する強さを自在に変化させられます。小さく作ることも可能なので、歩行補助器の車輪に取り付け、前方の障害物を認識するカメラと組み合わせて、最適な歩行補助を行う「インテリジェント制御型歩行器」の研究も進んでいます。「引っ張られる・引っかかる」といった微妙な感覚もバーチャルで再現できるので、手術の際、患部の抵抗感が指先に伝わりにくい腹腔鏡手術の支援ロボットなどへの応用も考えられるなど、大きな可能性を秘めている研究分野なのです。

再生スピードを変更できます。

ロボット+機能性流体+リハビリ

夢ナビライブ2016 福岡会場

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MR流体とは

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Application for brake

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この学問が向いているかも ロボット工学、メカトロニクス、福祉工学

大分大学
工学部 福祉環境工学科 准教授
菊池 武士 先生

メッセージ

 どうにも好きになれない苦手科目は、誰にだってあると思います。ただ、「苦手だから」「センター試験では選択しなくてもイイから」といった理由で全く勉強しないと、大学に進学してから後悔するかもしれません。大学で専門的な研究をするようになると、高校時代以上に幅広い知識が必要になるからです。
 例えば、工学部で福祉ロボットを研究する場合、工学系の知識だけでなく、医学や化学などの見識まで必要になります。苦手科目でも基礎的なことは理解できるよう、諦めずに頑張ってください。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃から機械いじりが大好きで、いらなくなったオモチャや壊れた家電製品などは、分解して仕組みを見てみないと気が済みませんでした。あるとき、自分の部屋の電気配線がどうなっているのかを見るために、壁紙をはがしてコンセントを分解して、両親から大目玉を食らった経験もあります。
 そんな機械大好き少年だっただけに、大学では迷わず工学部の機械分野に進学しました。ちょうどその頃、祖母が病気になり、介護を体験したことがきっかけとなって、医療や福祉用ロボットの研究開発の道に進みました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

機械系(自動車、ロボット、家電、プラントなど)設計・開発・研究者

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菊池 武士 先生がいらっしゃる
大分大学に関心を持ったら

 大分大学では学びの習得とともに、豊かな人間力の獲得が求められます。人間力とは総合的な社会人の能力を指し、幅広い学識に加えて強靱な意志と責任感やリーダーシップ、豊かな意思伝達能力、確固たる倫理観などが含まれます。これらは日々の学びに加えて、ゼミやサークルなどにおける友人や教員達との交流により養われると思います。メディアを通し、社会が何を求めているかを敏感にキャッチすることも必要です。また、就職時採用の際に必要なものも人間力です。大学生活の中で、ぜひ人間力を身に付けていただきたいと思います。

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