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講義No.07929

「次世代パワー半導体」材料技術で持続可能な社会の実現に貢献!

省エネの未来を担うパワーエレクトロニクス

 21世紀の人類にとって省エネの推進は最重要課題のひとつです。電気の場合、機器の消費電力低減はもちろん、次世代の環境自動車に搭載されるモーターの電力ロスを抑えることも省エネに大きく貢献します。そのために半導体や電子回路を用い、なるべく電力ロスを減らして用途に合った形態に変える制御技術が「パワーエレクトロニクス」です。「パワー半導体」と呼ばれる半導体が、電力を効率よくコントロールするためのインバータやコンバータ回路で活躍しています。

SiCを使った次世代パワー半導体

 コンピュータのCPUやメモリがいわば「頭脳」なら、パワー半導体は物理的に電力をコントロールする「筋肉」と言われています。パワー半導体の材料を、現状のSi(シリコン)からSiC(シリコン・カーバイド)という化合物材料に置き換えれば、電力損失を劇的に削減でき、家電やコンピュータだけでなく、電気自動車や電車など電気を用いた交通機関でも画期的な省エネが望めます。しかしSiCは、シリコンとダイヤモンドの間の性質をもつ化合物で非常に硬く、扱いにくさも一級品です。結晶の作製には2000度という超高温が必要で、さらに結晶表面ではナノ領域と呼ばれる極微小の世界でSiとC(炭素)の並び方を制御しなければなりません。しかも、いくつも存在するSiCの単結晶構造のうち、パワー半導体に最適な特定の結晶構造だけを作り出す必要があるのです。

超高温の環境で新しい生成法を探る

 そこで、最近の研究により高温環境下でのそれぞれの元素の特性を最大限に利用し、原子層単位で制御する手法を使って、パーフェクトな結晶表面を作り上げることが可能になりました。これは日本独自の研究成果です。新しい着眼点の、従来の常識を覆すナノテクノロジーの取り組みによって「次世代パワー半導体」は生み出されるのです。これが普及していくことで大幅な省エネがもたらされ、ひいては「サステナブル(持続可能)な社会」の実現に一歩近づいていくものと期待されます。

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この学問が向いているかも ナノ工学、表面物理学

関西学院大学
理工学部 先進エネルギーナノ工学科 教授
金子 忠昭 先生

メッセージ

 環境・エネルギー問題の解決なくして、人々が安心して暮らせる社会の持続はありません。どんな便利な道具を生み出しても、それが膨大なエネルギーを消費する限り、産業への発展もないわけです。物質から新たな機能を生み出す最先端の「ものづくり」とは、料理の仕方によっては成果が地球規模へと波及する分野です。自分で作った目の前の「もの」はうそをつきません。それが素晴らしければ、社会を豊かにすることができるのです。まずは物理や化学などの基礎を習得し、そのうえで理想と信念をもって常識を破ってください。

先生の学問へのきっかけ

 学生時代に在籍していたのは英語の講義が多いことで有名な大学でしたが、友だちが世界をめざして将来像を描いているのを見て焦ってました。「音楽や芸術の道で食べていくのは難しそうだし、じゃあ何があるか?」と考えたとき、唯一数学が得意だったのです。まずは自然科学を根本から学ぼうと思い、物理の道に進みました。そして次世代を担うようなスケールの大きな技術に憧れて他大学の大学院へ進学、その後イギリスとドイツで研究を重ねました。長きにわたる海外での研究生活で社会に貢献できるテクノロジー開発の大切さを学んだのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

自動車会社生産技術/鉄鋼会社研究者/電気機器会社研究者、装置設計、生産技術/炭素素材会社研究者

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金子 忠昭 先生がいらっしゃる
関西学院大学に関心を持ったら

 スクールモットーである"Mastery for Service"は、「奉仕のための練達」と訳され、隣人、社会、世界に仕えるため、自ら鍛えるという関西学院の人間として目指すべき姿を示しています。
 1889年にアメリカ人宣教師W.R.ランバスによって創立された関西学院は、このスクールモットーを体現する、創造的かつ有能な世界市民を育むことを使命とし、現在、関西学院の3つのキャンパスでは、約2万人の学生が個性あふれる11学部で学んでいます。

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