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京都ノートルダム女子大学の教員によるミニ講義

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パズルのような英文学? ~ジェイムズ・ジョイスの世界~

故郷アイルランドを愛したジェイムズ・ジョイス

 20世紀の最も偉大な作家のひとりであるジェイムズ・ジョイスは、アイルランドのダブリン出身です。人生の大半をイタリアやパリ、チューリッヒなど国外で過ごし、大陸文化の影響を色濃く受けていたジョイスですが、作品の舞台はほとんどが故郷ダブリンであることから、アイルランドをとても愛していたと考えられます。作品を理解するには、ジョイスが生きていた時代を知る必要があります。アイルランドで大多数を占めるカトリックと隣国イギリスのプロテスタントとの対立、イギリスによる植民地支配、フランス革命を発端とした独立戦争など、彼の小説は近代ヨーロッパの歴史と密接に関係しています。

ジョイスの傑作『ユリシーズ』は謎だらけ!

 1922年に出版された長編小説『Ulysses(ユリシーズ)』は、ジョイスの代表作品です。挿話が複雑な階層構造をとっており、ダジャレやパロディを含む文章、難解な表現方法を多用しています。普通の小説だと、3割ほど読み進めれば主人公に感情移入して物語の流れをつかむことができますが、『ユリシーズ』はちりばめられたパズルのピースを拾いながら、注意深く読み進めていく必要がある作品です。

読者を惑わす作風への転換

 ジョイスは最初から難解な文章を書いていたわけではありません。初期の頃の作品『Dubliners(ダブリン市民)』は比較的写実的で、故郷ダブリンに生きる人々の生活を鮮やかに描いています。それが徐々に文学の可能性を探るかのように作風が変化し、読者を惑わす文体になっていったのです。
 最後の作品である『Finnegans Wake(フィネガンズ・ウェイク)』では、日本語の「娘」とフランス語の「マドモアゼル」を合体させ、「ムスメゼール」という造語を作ってしまったほどです。歴史や世界情勢はもちろん、複数の言語での理解が求められます。読者を振り回す独特の世界観が、ジェイムズ・ジョイス作品の魅力のひとつなのです。

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天才作家ジョイスの故郷、アイルランドへ

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ジョイスの作品たち

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初版『ユリシーズ』を巡る騒動

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アイルランドってどんな国?

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この学問が向いているかも 英文学


人間文化学部 英語英文学科 教授
須川 いずみ

先生の著書
メッセージ

 アイルランドがどんな国か知っていますか? イギリスの西側にある、小さな島国です。地理的にイギリスの近くですが、文化的にはアメリカと近い国です。私はそのアイルランド出身の作家、ジェイムズ・ジョイスの研究を行っています。彼はイタリアやパリ、チューリッヒなどで暮らし、コスモポリタン(世界主義者)として生きていましたが、作品の多くは故郷アイルランドが舞台のものばかりです。ジョイスが愛したアイルランドがどんな国か、ジョイスという作家の魅力は一体どこにあるのか、彼の作品を通して一緒に研究してみませんか。

先生の学問へのきっかけ

 高校の英語の授業で、アメリカ人のシスターに教わっていました。クラスはレベルごとに分かれていて、「トップのクラスから落ちたくない!」という一心で、課題や単語テストに必死で取り組んでいました。英語を身につけるのに最高な環境で、読み書きや英会話、スピーチもぐんぐん上達していきました。ESSのスピーチコンテストで、全国4位という好成績を残したこともありました。力がついてくると「自分は英語が好きなんだ」と再認識していきました。シスターの一人から文学批評の読み方を教わったことが英文学に目覚めたきっかけです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学教員/領事館商務官/テレビ局員/キャビンアテンダント/グランドスタッフ/銀行員

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