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講義No.07746

ブラックホール周辺観測の新展開~ブラックホールのまたたきが見えた~

見えないブラックホール周辺の活動を観測する

 ブラックホールというと、「重力が強く、まわりのものを吸い込み、光さえ出られない暗い穴」と答える人が多いでしょう。確かに宇宙のブラックホールそのものを見ることはできませんが、周辺ではすごい勢いでものが吸い込まれ、それにともない1000万℃という超高温で光る激しい活動が起こっています。しかし、それは人間が感知できる可視光ではなくX線であるため、そのX線を人工衛星などで観測するという方法でブラックホール周辺の物理現象の研究は進んできました。ところが、このブラックホールの「またたき」ともいえる光を目で観測ができる、そんな現象が最近確認されたのです。

初めて可視光で変動をとらえた!

 ブラックホールと普通の星が互いのまわりを回っている連星のことを「X線連星」といいます。その中でも突発的に爆発現象を起こすX線新星の1つ「はくちょう座V404星」は正確に距離がわかっている中で地球に最も近いブラックホールを主星に持つ天体です。
 2015年、この連星で規則的な光の変動の様子が、初めて可視光で発見されました。この現象がこれまでX線で観測されていたものと同様だったことから、X線観測ではないブラックホール観測の新しいアプローチの可能性が出てきたのです。

臨機応変に観測できるネットワークと望遠鏡で

 このような突発的な現象の観測をするには、臨機応変に観測できるネットワークと観測施設が必要です。今回は、世界各地のプロの研究者やアマチュア天文家が口径数十cm程度の市販の望遠鏡などでも観測に協力したことにより、明るさの連続観測を実現しました。
 ここからさらに踏み込んだ観測、例えば温度、元素、分子などを調べるには「分光観測」が必要ですが、そのためには大きな口径の望遠鏡も必要です。建設計画が進行中の望遠鏡によって、今後のブラックホール天文学の新展開にも寄与することが期待されています。

太陽フレアと恒星スーパーフレア

夢ナビライブ2017 名古屋会場

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この学問が向いているかも 恒星物理学、天文学、宇宙物理学

京都大学
理学部 宇宙物理学教室 准教授
野上 大作 先生

メッセージ

 宇宙というのは驚きに満ちあふれている世界で、私たちの身の回りの常識からは考えられないような現象がひんぱんに起こっています。突発的に起こる天体の爆発現象もそうです。そのような現象の世界で一番観測しやすい環境をつくろうと、本学では岡山天体物理観測所に口径3.8mの望遠鏡の建設計画を進めています。
 あなたが大学に入り、専門を決め、大学院に入る頃にはこの望遠鏡での観測研究がどんどん進められていることでしょう。ぜひ一緒に研究しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私は小・中・高校と天文学とは縁のない生活をしていました。大学にも物理学か数学を勉強したいと思って入りました。転機は専門を決める三年生になる前に訪れました。友人と専門選択の話をする中での「やるなら大きい学問、天文学だろう」という言葉が心に響き、「宇宙物理学」を選んだのです。
 そして、すごく遠い宇宙で起こっている大きな現象の観測に驚き、学んでいくうちに興味が高まり、超新星爆発や太陽の表面で起こるフレアなどの突発的な天体現象について研究をするようになったのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学研究員/新聞記者/通信会社衛星運用/高校教員

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野上 大作 先生がいらっしゃる
京都大学に関心を持ったら

 京都大学は、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献するため、自由と調和を基礎にして基本理念を定めています。研究面では、研究の自由と自主を基礎に、高い倫理性を備えた研究活動により、世界的に卓越した知の創造を行います。教育面では、多様かつ調和のとれた教育体系のもと、対話を根幹として自学自習を促し、教養が豊かで人間性が高く責任を重んじ、地球社会の調和ある共存に寄与する、優れた研究者と高度の専門能力をもつ人材を育成します。

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