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講義No.07720

世界中の雷をキャッチし、宇宙や地球の環境予測も可能にする電磁波研究

電気と磁気の両方の性質を持つ電磁波

 電磁波とは、電気と磁気がお互いに協力し振動を繰り返しながら進む波のことです。電磁波は目には見えませんが、実は電化製品からだけではなく、自然から出ている電磁波も多数飛び交っています。
 代表的なのは雷で、コンピュータを壊してしまうほど強い電磁波を放出しています。放射線や光も電磁波の一種で、宇宙はありとあらゆる電磁波が飛び交う「宝庫」です。宇宙では衛星や国際宇宙ステーションに観測機器を設置し、地球周辺の電磁環境や中間圏発光現象(レッド・スプライト)の観測などを行うほか、太陽活動の影響で通信やGPSの障害を予測する「宇宙天気予報」の研究も進められています。また、地上では国内はもちろん海外にも多くの観測点を設置して連続して観測を実施しています。

北海道でアフリカの雷をキャッチする?

 電磁波の特徴としては、一瞬にして遠くまで届く「遠隔性」があげられます。そのため離れた場所にいても発生源の情報を得ることが可能です。ある特定の低周波の電波を観測すると地球上すべての大きな雷さえ観測できます。例えば北海道の観測所でアフリカの雷からの電磁波をとらえることもでき、世界中の雷マップを作りあげることもできるのです。またリアルタイムでの観測なので、集中豪雨など急激な天候変化の監視や予測につなげていくことも期待されています。

異常気象や地震の予測に生かして社会貢献を

 ある自然現象が起きる前には事前に何らかの予兆が存在する場合があります。電磁波の観測には予兆をとらえる「先行性」という側面もあり、竜巻やダウンバーストなどの突風、集中豪雨、地震などの予測へつなげることも期待されています。例えば突風の発生前に雷の総数(トータル雷)の顕著な増加が確認されています。国内外各地に出かけて行けたり、社会に貢献できる学問です。
 また宇宙から地中まで観測範囲が及ぶ、学問としてのスケールの大きさはもちろん、世界的な規模で国際共同研究が多く行われており、人間的なスケールも広がっていくのも大きな特徴です。

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電波観測を用いた宇宙地球環境の監視と予測

夢ナビライブ2016 東京会場

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地震の監視と予測

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ニジェール共和国の雷雲レーダー観察

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雷と電波

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 電磁波工学

電気通信大学
情報理工学域Ⅱ類(融合系) 電子情報学プログラム 教授
芳原 容英 先生

メッセージ

 電磁波は国境に関係なく飛んでいくため、研究も地球全体がフィールドです。私はヨーロッパで7年ほど研究していましたが、現在も世界中の研究者たちと共同でデータ解析や議論を頻繁に行っています。そのような経験から新しい知見を得られることも多く、幅広い視野を持てる学問と言えます。
 また地震や竜巻、集中豪雨などの予知などで、社会貢献できるのも大きなやりがいです。感性を研ぎ澄ませて「自然の声」を聞けば、今まで見えなかったものが見えてくるでしょう。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の頃、電波天文台でとらえられた宇宙の果てからの電波をテレビ番組で見たことがきっかけで、「宇宙と電波」に興味を持ちました。
 中学生になると短波ラジオの受信アンテナを自作し、世界中の短波ラジオ放送を聞くような少年時代を過ごしました。大学では念願だった電波と宇宙の研究に没頭しました。
 大学卒業後は7年にわたってヨーロッパ各国の大学や研究所で研究を行い、帰国後も国際協力プロジェクトなどに積極的に関わってきました。現在も、地上や、宇宙からのさまざまな電波を観測をしています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

電気メーカー電気技術者プログラマー/国家、地方公務員電気技術者/電気通信業システムエンジニア/電力会社電気技術者

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芳原 容英 先生がいらっしゃる
電気通信大学に関心を持ったら

 電気通信大学は、日本初の電気通信単科大学として無線技術者の養成はもとより、電気通信科学のあらゆる分野にわたって古くから研究者や技術者を送り出してきました。先端科学技術を支える全分野を網羅し、電子・情報分野に特化した研究、教育を行うユニークな大学です。社会に信頼され、社会から頼りにされる大学を目指し、ものづくりに意欲を燃やす学徒の期待に応える教育環境を提供します。

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