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講義No.07670

「巨大ブラックホール」の周辺を探る方法とは?

銀河に存在する巨大ブラックホール

 最近の研究から、私たちの地球がある天の川銀河の中心には、太陽の400万倍ほどの重さの巨大なブラックホールが潜んでいると考えられています。また、天の川銀河だけでなく、どの銀河の中心にも、巨大ブラックホールが普遍的に存在すると考えられるようになってきました。銀河の中心近くの星は、ブラックホールの強力な重力に引っ張られ、ものすごいスピードで回っていて、その速度と位置からブラックホールの重力が計算できます。1990年代からの赤外線を使った技術の発達によって、星の速さと位置を正確に観測できるようになり、巨大な質量のブラックホールの存在がわかってきたのです。

遠く離れたブラックホールを観測するには

 これらの巨大ブラックホールの周りで、実際に何が起きているのか。それを探るには、地球から見えるブラックホール周辺はあまりにも小さすぎて、10m口径の望遠鏡を使っても、直接写真を撮ることはできません。そこで、2つ以上の望遠鏡を離れたところに置いて、異なる望遠鏡からの光を重ねて干渉縞(かんしょうじま:光が干渉して強め合ったり弱め合ったりすることでできる明暗の縞模様)を作り、この干渉縞を観測してその模様の強さと位置を分析します。すると、望遠鏡どうしの距離とあたかも同じ口径の望遠鏡で観測したような効果が得られます。現在、この干渉計といわれる装置でブラックホール周辺の観測が行われています。

基本的な物理を宇宙物理学に活用

 こうした干渉計を使ったブラックホールの観測方法は、実は高校の物理で習う「ヤングの二重スリット実験」を応用したものです。望遠鏡の光で干渉縞を作るには、2つの光の進む距離をぴったり揃えることが必要で、そのためにさまざまな装置を動かします。宇宙物理学の現場では、高校で学ぶ単純な物理を土台にし、そこにハードウェアやソフトウェアの技術力を結集させて観測し、推測したことを論理的に確かめていきます。こうして、ブラックホールの実態の解明への取り組みが続けられているのです。

巨大ブラックホールの周辺を直接探るには?

夢ナビライブ2017 東京会場

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この学問が向いているかも 宇宙物理学、天文学

京都産業大学
理学部 宇宙物理・気象学科 准教授
岸本 真 先生

メッセージ

 今、宇宙物理の分野では、いろいろな銀河の中心に巨大なブラックホールが普遍的に存在するという結論に達しつつあります。しかし、その周りで何が起きているのかを直接見るには、1つの望遠鏡の大きさだけでは足りず、大きく離して置かれた複数の望遠鏡を同時に使う必要があります。私は世界各地にあるこうした天文台で、実は高校で習うような単純な物理を土台に、最新の技術を結集してサイエンスの目的を果たすということを行っています。このような分野に興味がある人は、ぜひ一緒にやってみませんか?

先生の学問へのきっかけ

 宇宙を学ぶ最初のきっかけは、中学生のときにテレビで見た衛星の打ち上げでした。宇宙や宇宙航空工学に興味を持ち、物理学者の自伝などを読んで、物理の面白さを感じるとともに、宇宙航空工学も宇宙物理学も「物理が基本」となっていることに気づいて、大学で物理を学びはじめました。そして理学部でいろいろな物理を学んでいく中で、天体に関する物理やその観測、データ解析などを行う宇宙物理学や天文学の魅力にひかれていったのです。
 この学問の面白さを最も感じるのは、データ解析をしていて自分の思っていた結果が出たときです。

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岸本 真 先生がいらっしゃる
京都産業大学に関心を持ったら

 京都・洛北の地に位置する京都産業大学。甲子園球場の約15倍という広大な敷地に、文系・理系9学部を擁し、13,000名の学生がひとつのキャンパスで学ぶ総合大学です。この理想的な教育環境が学部・学科の枠を超えた学習や学生間の交流を可能にしており、活気あふれるキャンパスを実現しています。いろいろなタイプの人との出会いには豊かな人間関係を築き、互いに自己を大きく成長させる魅力があります。さまざまな夢や目標を持った学生が全国から集うキャンパスには、無限の可能性が広がっています。

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