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講義No.07465

「男らしさ」って何だろう? 「自分らしさ」って何だろう?

表象文化論って何?

 「表象文化論」とは、芸術や文学、社会・文化現象一般について、ジャンルにとらわれず、分野を横断しながら検証していく学問です。1つのテーマに対して、今起きている現象だけを追うのではなく、歴史的背景、地域的要因などを考慮しながら掘り下げることで、現在の現象がいかにして起こったかが見えてきます。

昔からあった「美男子萌え」

 例えば、「男らしさ」について、ヨーロッパではギリシア時代以降、軍人としての男らしさが非常に大きな意味を持ってきました。「戦場で勇ましく戦うマッチョな男性像」、それが富国強兵や帝国主義、植民地主義などの国策を支えてきたとも言えます。日本でも明治時代以降、欧米にならって徴兵制が導入され、マッチョな男に憧れた女性たちもいました。しかし当時の大衆文学などでは、軟弱な美男子が刀を持つとめっぽう強いといったヒーロー像が、男女問わず支持されていたようです。現代を見ても、ジャニーズ系など一見中性的な男性が人気なのも、欧米とは異なるところでしょう。

「らしさ」の多様化の中でどう生きるか

 また、日本では、女性が掲げる理想の男性像として、かつては「三高(高学歴、高収入、高身長)」がもてはやされ、現在では「三低(低姿勢、低リスク、低依存)」が好まれるなど、女性が「男らしさ」の概念をリードしてきました。戦後の1つのモデルだった「24時間働く企業戦士」という男性像が崩壊し、男らしさが多様化していることもあり、男性にとって現代は、具体的な理想像が描きづらい時代かもしれません。
 近年ではLGBT(同性愛者、両性愛者、性同一性障がい者)の社会運動をはじめ、男女の枠にとらわれず、自分らしく生きることを模索する動きも盛んです。しかし「自分らしさ」とは何なのか、今度は「自分らしさ」の枠にとらわれすぎてはいないかという問題も出てきます。そうした視点で文化・社会現象を見ていくことは、自分がいかに生きるかにもかかわる、意味深い考察でもあるのです。

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首都大学東京
人文社会学部 人文学科 准教授
古永 真一 先生

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メッセージ

 大学では「1つのテーマに対し、さまざまな視点から深く掘り下げて考える」ということが重要になります。
 最近では新書でも興味深い題材が多く取り上げられており、電子書籍も充実していますので、興味があることは自分で掘り下げ、積極的に書物の世界に分け入ってみてください。例えば、今、自分が楽しんでいるドラマやアニメ、漫画、ゲームなどの文化がどのように成り立ち、時代とともにどういう側面を見せてきたのか、そういう観点から見直してみると、新たな視野も開けてくると思います。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

広告会社の企画/官公庁の文化事業/大学図書館の職員/都庁や県庁の職員/映像制作会社のスタッフ など

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 首都大学東京は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

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