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福岡大学の教員によるミニ講義

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会社から不当な扱いを受けたとき、労働法に何ができる?

「労働法」で解決できるトラブルは全体の一部

 「労働法」は、職場の紛争を解決するルールですが、この法律で解決できる問題は一部にすぎません。これは労働法に不備があるからではなく、「契約の自由」という原則が働いているからです。会社とは給与や労働時間などの労働条件を定めた労働契約を結んで入社します。契約の内容は、法に反しない限り、当事者で自由に決めることができます。その内容を労働法が細かく定めているわけではないのです。

労働組合組織率が20%を切り、個人重視に

 労使関係では雇う側の力が強いのが一般的で、その立場を利用して労働者に不利な契約を結ばせたり、労働契約を無視して悪い条件で働かせたりする場合があります。そこで、労働者を守るために、労働法が生まれました。労働者は集団で結束して労働組合を作り、雇用主に労働条件の改善を要求することもできます。しかし、現在は労働組合の組織率は事業者の20%を切っていて、組合を作って自分たちで雇用主と交渉することが難しくなっています。労働者個人で労働条件を改善しにくい世の中では、法律によって労働者全員を直接守る仕組みが必要となります。不当な解雇や、人格を傷つける嫌がらせを事前に防ぐためです。

労働法を学ぶ人に必要なこととは

 例えば、労働基準法は、労働時間の設定方法や賃金の支払い方に条件を課しています。また、労働基準法が守られない場合には、国が雇用主に指導をします。労使間のトラブルが話し合いで解決できるように、専門家のアドバイスを受けられる場所も提供しています。しかし、法律を守らせるだけでは、職場の状況は変わりません。当事者自身が互いの立場を理解しながら、歩み寄って良い職場をめざさなければなりません。
 法律はすべてを解決できる万能薬ではありません。労働法を学ぶ人は、法律の条文の解釈を知ることも大切ですが、労働法でどこまでの問題を解決できるのかを見極める能力が必要です。そして、問題の本質的な解決方法を探る根気や相手を説得するコミュニケーション能力も大事なのです。

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法学部  准教授
所 浩代

先生の著書
メッセージ

 私が教えている労働法は、主に2つのことを考える学問です。1つは職場のトラブルを、今ある法律を使ってうまく解決できる方法を考えることです。2つ目は、今ある法律で問題を解決できないときに、新しい法律を考えることです。このときは外国の法律も参照します。労働法は労働者の声を聞く学問でもあります。
 私たちと一緒に労働法を考えませんか。あなたのチャレンジを待っています。

先生の学問へのきっかけ

 大学のゼミで労働法を学び、職場が男性中心の社会で、女性に対する差別的な取り扱いについて裁判がたくさん行われていることを知りました。ただ、そのときは、実際の職場では、そんな差別はもう取り除かれているものだと信じていました。しかし、実際に会社で働き始めると、性による区別が残っていることを実感し、悔しい思いをしました。そのような区別は、徐々にキャリアへの差になっていきました。
 一人の力ではそうした状況を変えられないので、法律の力で世の中を変えることが近道だと思い、大学院で再び労働法を学び始めたのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

労働基準監督官/公務員/一般企業の人事や労務を担当する者

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