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講義No.07111

大容量データを伝送しながら、消費電力を軽減する技術

20年後には1000倍に!

 現在、インターネットでは動画などの伝送容量がどんどん増加しています。およそ2年間で2倍になり、このままでいくと、20年後には約1000倍の通信が必要になると言われています。

大容量伝送のための研究

 家庭からの光ファイバーは100Mbps(毎秒1億ビット)で、現在使われている技術では1本のファイバーで10万倍の10Tbps(テラビット)の通信ができます。さらに、光の波の性質を利用した「デジタルコヒーレント」光伝送技術を使うと100Tbpsまで可能です。さらに大容量を伝送するために1本のファイバー内の光の通るコア領域を複数にする研究も進んでいます。また光ファイバーの伝送損失を補うために、光信号のまま効率的に増幅できるファイバー増幅器が使われています。
 最近ではスマートフォンやモバイル端末での無線による通信が増えていますが、基地局からの伝送には光ファイバー通信が使用されています。

消費電力を軽減するために

 インターネットのプロバイダーなどにある大容量のルータ(中継機器)は1台あたりの消費電力が12.3kWで、これを72台合わせれば消費電力は885kWになります。このルータを10システム合わせると処理能力は十分ですが、消費電力は9MW(メガワット)にもなります。この電力は小型の原発1機分、大型の原発1機分の100分の1に相当します。近い将来、総発電量の多くが情報ネットワークに使われることになってしまいます。ものの移動などをともなわない、情報のやりとりに使われる消費エネルギーがいかに膨大になるかがわかります。
 そこで消費電力を減らすための研究が行われています。現在は光で伝送されてきた情報を電気信号に置き換えて、処理をした後に再び光に戻して送り出しています。一度電気信号に変換する処理は、高速になるほど消費電力が必要になります。現在、できるだけ光信号のままで処理をすることによって消費電力を低減し、高速処理を可能とするシステムが研究・開発されています。

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この学問が向いているかも 情報システム工学、通信工学

徳島大学
理工学部 理工学科 教授
後藤 信夫 先生

メッセージ

 光ネットワークの研究をしています。スマートフォンやモバイル端末などで動画がやりとりされ、通信の情報量が増大しています。20年後には1000倍になると予想されており、今のままの技術では膨大な電力が必要になるでしょう。私たちは、光のまま電力を抑えて高速で信号処理ができるシステムを研究しています。
 光技術は2014年の青色LEDによる日本人のノーベル賞受賞をはじめ、2015年の国連が定めた国際光年などで、注目を集めている技術です。国際的に活躍できる学生を育成したいと思っています。

先生の学問へのきっかけ

 小さい頃から、ものをつくったり分解したりするのが好きでした。知り合いに建築をしている人がいて、余った木材をもらってきて机や椅子などをつくっていました。木材以外でもラジオもつくったり分解したりしていました。そのうちに電子回路に興味を持って、将来はこの分野の仕事をしたいと思うようになりました。高校ではアマチュア無線をしていて、自宅の庭に電柱を立ててアンテナを取り付けたりもしました。
 大学はやはり電気電子工学を専攻し、当時は光通信が始まった時期だったので、非常に興味を持ち研究室も光通信を選びました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

通信・ネットワーク会社開発・設計/電気・電子機器メーカー開発・設計/電子部品・光学素子メーカー開発・設計/光学素子化学素材メーカー開発・設計

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後藤 信夫 先生がいらっしゃる
徳島大学に関心を持ったら

 徳島大学は有為な人材の育成と学術研究を推進することにより、人類の福祉と文化の向上に資するため、自主・自律の精神に基づき、真理の探究と知の創造に努め、卓越した学術及び文化を継承し、世界に開かれた大学として豊かで健全な未来社会の実現に貢献することを理念としています。豊かな緑、澄み切った水、爽やかな風、温暖な気候に恵まれた徳島の地にあって、「知を創り、地域に生き、世界に羽ばたく徳島大学」として、発展を目指しています。

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